カソウケン(家庭科学総合研究所)へようこそ (KS一般書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 133
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061542792

作品紹介・あらすじ

生活を科学する家庭科学総合研究所日誌。「散らかる部屋」から「子どもの脳まで」科学するこれぞ、カソウケンの主婦。

感想・レビュー・書評

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  •  これまでにも「台所で理科実験」というテーマの本はたくさんあったが、いずれも「台所にある道具をつかって、理科の実験をしてみよう!」というような台所を学校の理科室に見立てるものが多かった。
     
     それにくらべ、本書は台所で起こっていることを科学の言葉に言い換えることができ、まさに科学を身近に感じるおもしろさを発見することができる。
     
     こんなのが、欲しかったんだ!

  • 購入して読み。
    「ほぼ日刊イトイ新聞」で昔、連載されていたような気がする。のが手に取ったきっかけ。

    家庭の科学(化学)という感じで、主婦でもとっつきやすい内容。前半は家庭の化学各論、後半は育児にまつわる言説を科学的な視点から見てみるよ、といったところ。

    前半の「カソウケンの1週間」のあたりは化学が苦手な高校生くらいが読んでもいいんじゃないかと思う。化学式がのってるわけじゃないけど、教科書よりもだいぶかみ砕かれた内容が載ってるから。エントロピーとか、極性とか、飽和・不飽和脂肪酸とか。

    ---
    以下、印象に残ったところ。
    ・メイラード反応…アミノ化合物と糖(カルボニル化合物)が存在するところで、加熱されると起こる反応(料理の焼けるにおい。ケーキとか魚とか)(p80)。メイラード反応が起きやすいのはショ糖ではなく、転化糖の方。あまり焼き色をつけたくない場合は、グラニュー糖を使うとよい。(p32)

    ・とろみがつく現象をデンプンのα化(糊化)という。α化した液を加熱し続けると、デンプンの粒が壊れて粘度が下がってしまう(ブレークダウン)。事前に水溶き片栗粉を作っておけば、この現象も起こりにくくなる(p37)

    ・ヘモグロビンは血液の中、ミオグロビンは筋肉の中(p62)

    ・パスタの茹で汁には「サポニン」という天然の界面活性剤が入っている。油汚れを落とすのによし(p68)

    ・不飽和脂肪酸のように二重結合があると、酸素と結合しやすくなる=酸化しやすい。魚の油(不飽和脂肪酸が多い)が肉の油(飽和脂肪酸が多い)に比べて臭くなりやすいのはそのせい(p103)

    ・ドライアイスの白いモクモクは「二酸化炭素の気体の中に氷の粒が散らばったコロイド」(p107)。白いモクモクがないから二酸化炭素がないというわけではなく、床の方に二酸化炭素が充満していることもあるので注意

    ・熱伝導度があらわしているのは、伝わる「スピード」であり、熱容量の方は、抱える熱の「量」(p112)。(比熱)×(重さ)=熱容量。重いものほど熱容量大(p114)



    ・母乳は飲む時間によって変化する。赤ちゃんの成長度に合わせても変化する。早産で生まれた赤ちゃんに対しては標準よりも多いたんぱく質とカロリーが含まれた、未熟児の赤ちゃん対応のミルクになっている(p173)


    ・4-5歳までの記憶はほとんどない、あったとしても断片的(幼児期記憶喪失)。海馬とそれにつながる前頭葉が4-5歳になるまで十分に育っていないために起こるらしい。(p214)長期記憶を司る海馬が十分発達するのはだいたい5-6歳。それ以前に正確な知識を定着させようとしてもかなり無理があるらしい(p215)

  • 非常にわかりやすく、ド文系の僕にも理解できないところは一つもない。
    中学生くらいに、本書を用いて授業したら結構食いつきいいんじゃないかと思う。

    惜しむらくは、時折入れられるユーモアのごときものが、僕のセンスには合わなかった、ということ。

  • 4-06-154279-6 242p 2005・2・1 1刷
    ○理科系の教科書の内容を深めるためにはいい内容
    取り上げている題材が家庭内という身近なもの

  • ほぼ日での連載を読んでいたので購入。
    これだけわかりやすく科学を紹介してくれる先生が学校にいれば、もっと勉強に身が入っただろうな、と思います。

  • 残念ながら自分には合わず、読み続けられなかった本。

  •  しみ抜きを例に「極性」を解説し、片付けから「エントロピーの法則」に迫る。暮らしの不思議から科学を発見する入門書。
     まずは大胆に説明を簡略化してあるのが偉い。つい「この先がおもしろいんだよ~」と欲が出そうなところを、ばっさり切って、カンタンにカンタンに書いてある。扱う範囲は広大だけれど、ダジャレ・著者の失敗談も膨大なので、ついついスルリと読まされてしまう。
     そして、出版物として偉い。この本のもととなったカソウケンホームページも「ほぼ日」の文章も読んだけれど、やはりこの「本」のほうがはるかにデキがいい。著者には申し訳ないけれど、編集がちゃんと仕事したんだろうなぁというつくり。図版のないページはほとんどないし(科学モノの図版は面倒なものです)、イラストもテイストとしてばっちり。不飽和脂肪酸の説明に出てきたイモムシなど、なかなか秀逸。文章もネット上のものより読みやすく感じるのは気のせいか?
     タイトルには「非実用?」とあるが、実用になる部分は多いと思う。人は腑に落ちて初めて、行動が変わる。たぶん「焼き網を十分に熱する」理由がわかったほうが、失敗が少なくなるだろう。 科学ネタのエッセイとして秀逸だと思う。また日頃、リクツの解説に悩んでいる編集者として、そうかぁこういう語り口があるのかと勉強になった。

  • 洗濯、料理など、生活にかかわる身近なことを化学の視点から解き明かしていく。僕自身は化学専攻なのですごく興味深く読めたが、化学の知識がなくても読めると思う。科学知識と身近な現象のつながりが見える、堅苦しくなくいい本。

  • 状態:貸出可
    ※利用対象者:本学の教職員と学生に限ります。

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著者プロフィール

内田麻理香(うちだ・まりか)
東京大学工学部応用化学科卒、同大学大学院工学系研究科応用化学専攻修士課程修了。同大学院博士課程進学、日本学術振興会特別研究員(DC1)。2005年に処女作を出版したのち、サイエンスライターとなる。2007年に東京大学工学部広報室特任教員に就任、その後独立。現在は各種媒体を通じてサイエンスにとどまらない著述業その他で活動中。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。

「2016年 『面白すぎる天才科学者たち 世界を変えた偉人たちの生き様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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