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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784061545052
感想・レビュー・書評
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数学がダメな私には難しすぎて歯が立たない本でした。前書きでは、数式を抑えて書いてあるということでしたが、いえいえ、数式はたくさん出てきます。とはいえ、量子力学は本質的に物理を数学の側から追求した学問分野であり、これは当然のことなのだ、と改めて思い知った次第。
本書はおそらく理科系大学生向けの教科書を補完する学習本だろうと思います。理科系と言っても理学部物理学科や数学科とか、半導体や化学の物性物理工学とか、もしくは高レベルな大学の理科系の学生向けじゃないかと思います。
内容は、科学者たちが量子力学にたどり着くまでの過程を順番にたどります。その過程とは、ある問題が苦労して一つ答えを出すといくつも疑問が出てくるような展開のため、話題は螺旋のように行ったり来たりします。このように曖昧さを無くすための色々な試行錯誤をきちんと順を追って説明しなければ「なっとく」したことにならないわけですね。
そしてその解決法の詳細は、数学のテクニックのオンパレードでもあり、同じ著者の姉妹書「なっとくする熱力学」や「なっとくする統計力学」、朝永振一郎博士(著者を指導した先生らしい)の著作(どうやら非常に厳密あるいは緻密に正しく量子力学を構築する名著の専門書らしい)に譲ったり、あちらこちらで煩雑を理由に省略されていたりします(一部の証明は巻末に12ページが割かれています)。おそらく「なっとくシリーズ」らしい分量に収める必要もあるのでしょう、省略が多々ありながらも、内容は非常に広くたくさんの過程を説明することになります。
実はわたくし、理科系工学部なので(汗)、量子力学の講義も受けたことがあり、一応のことは大昔に習っていたはずなのですが、たぶん必修科目ではなく当時も理解していなかったはず。まあ、それ以前に大学レベルの数学(何10年も前の)を理解できていないわけですけど。
私の場合、各種の数学の専門用語は(意味はよくわからずとも)言葉としてだけは記憶にはありました。しかしもう本書の数式の理解は諦めて、日本語文章を理解することに努め(ようとし)ました。こうなると、理論物理学者の奮闘の歴史(面白いはず)をたどる一般向け科学啓蒙書のような読み物になってきますが、それでも1ページ読むのに10分ぐらいかかったりと、結局苦行のようでした。
連続量を扱う古典物理学では説明のつかない物理現象が、離散量の量子力学でなら説明がつき、また、ミクロの世界では物質は粒子でもありかつ波でもあり、質量が決められつつもその位置が確率でしか決まらない、方程式は意味不明で不思議だが受け入れるしかない、というようなことが繰り返し述べられます。わたしも、もはや疑うことは諦めて、「なんとなく納得」(インチキな納得)しようと自分に言い聞かせながら読み進めました。
(理解が合っているか分からないが)私が印象に残った部分。
(1) 波動方程式は実体の確かな自然物理の変数や関数というよりも、実体が不確かであっても(そうだったのか!)(複素数まで持ち出して)関数を仮定することで、(やっと)ミクロな世界の現象を記述できる(らしい)こと。
(2) 波動方程式の理論から炭素原子の持つσ結合やπ結合といった分子間引力を説明できる(らしい)と知ったこと。
(3) (やっかいな?)量子世界の偏微分方程式やら積分を、行列(マトリクス)を用いることでより簡潔に(?)処理できる(らしい)こと。
誤解してますか?...(汗)
(星はあくまでも素人の自分にとっての本書の個人評価なので、気にしないように)
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第5セメスターの成績が、留年は免れたもののかなり悪く、脱オチコボレを期して夏休みに借りてみた。結局夏休みはほとんど勉強せず、この本も新学期が始まってから慌てて読んだ。この人は名前だけ知ってて読んだことはなかったが、古き良き学者の雰囲気が漂ってなかなか味わいがある。東京文理科大学出身とあるので、朝永振一郎の教えを受けたのかも知れない。本文中で朝永さんが出てくる頻度が高い。以下、章ごとに感想など。第1章なぜか等分配則の話から始まり、比熱の議論になってほんとに量子力学の本なの、と思ってしまうのだが、こういう「どんどん小さくしていくとどうなるのか」っていうのはデモクリトス以来のわかりやすい方法なのかも知れない。後半は本書ではトモナガ論法となっているが、「なぜ太陽の光に当たると日焼けするのに、ストーブに当たっても日焼けしないの? どちらも光線を出していて、しかも人体に当たるエネルギーでは後者のほうが大きいはずなのに。」っていう疑問を枕に、光電効果を説明する。どちらも量子力学を使わなければ説明できず、そういう古典論では説明不可能な事実をまず提示するのは量子力学の入門書によくあるパターンではあるのだが、この2つを扱うというのは初めて見た。やはり多いのは黒体輻射か、ファインマン流に(または朝永の「光子の裁判」?)二重スリットの話から始めるタイプで、特に後者は外村さんの実験のある今では小さなスケイルで起こっている現象の不思議さを実感する恰好の材料だ。比熱と太陽・ストーブの話は目新しくて面白いけど、後者について著者自身が学部2年のときに何が不思議なのかわからなかったと語っているように、まず不思議さを実感するのが難しいように思える。それに二重スリットに比べるとやっぱり地味だ。というわけで、初めて量子力学を学ぼうとする人が楽しめるかどうかには疑問が残った。このシリーズは一般書と教科書のあいだくらいの位置付けだと思ってたんだけど、どうやらオーソドックスな教科書で腑に落ちないところを補完しようっていうコンセプトらしい。第2章原子模型の話から、バルマー系列とかのスペクトルの話へ。とびとびということが言いたい章なんだろうか。特に難しいこともなく、適当に読み飛ばした。第3章ボーア−ゾンマーフェルトの量子条件から、何が分かるのかを追求していく章。シュレディンガー方程式もまだなのに、調和振動が出てくる。量子条件を積分で表し、それを調和振動に計算するとちゃんとエネルギー固有値が出てくるんだね。知らなかった。フランク−ヘルツの実験はよく解らなかったので、他の本でも読んでみよう。さらに水素原子についても量子条件を適用し、主量子数、方位量子数の話まで持って行ってしまうのは、難しい積分を含むにしてもなかなか鮮やか。もっとも3次元の中心ポテンシャルはシュレディンガー方程式でやっても色々と多項式を使うから、計算は五十歩百歩か?しかしこの人は理学博士なのに、なんで「磁界」という言葉を使っているのだろう? あと、このボーアとハイゼンベルクがお茶してる写真は初めて見た。そして手前にいる人はディラックに見えなくもない!?第4章スピンのところはなんとなくで済ませてしまった。最後の、アインシュタインモデルとデュロン−プティ則の話は分かりやすかったように思う。パウリのこの写真も初めて見たな。第5章黒体輻射の話なんだけど、これは朝永量子力学の焼き直しみたいな感じかな。第6章、第7章はけっこう普通の教科書と重なる部分もあるのだけど、電子雲の描写が詳しくて、混成軌道とか量子化学の教科書には載っていても量子力学の本には載っていないような話も多い。理論の話で終わらず、必ず具体例を持ち出してくるところはこの本の良いところだ。付録Dを見る限り、電磁場の量子化もそう難しくはなさそう?という感じ。良い本でしたが,成績にはきっと影響しないね(笑)
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