最新マーケティング・サイエンスの基礎 (KS社会科学専門書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061557888

作品紹介・あらすじ

現代のビジネスマン必須の知恵。科学をマーケティングに役立てるための理論の実践。

感想・レビュー・書評

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  • 消費者の選択行動を解明し、予測、統制を行うことはマーケティングの重要な課題である。マーケティングは実学なので、興味や関心のような潜在的な変数を構成して消費者を理解するだけでは不十分である。最終的には購買の有無のような行動的メジャーに結びつくようなモデル構築が必要になる。伝統的な増すマーケティングの立場からすれば、マーケティングで個人んお選択行動をモデル化する理由はあくまでも集団全体を知るための手段の1つにすぎない。

  • ロジットモデルを学ぶため、5章の質的選択モデルだけ読んだ。

    多項ロジットモデル(multinomial logit model)は消費者が多数の選択肢の中のどれか一つを選ぶ確率モデル。ブランド選択などの問題によく利用される。

    全体効用Uが、観測できる定数効用Vと確率的に変動するZから成り立つと仮定し、各選択肢に固有の定数をCとすると

    U=V+Z=C+βX+Z

    上式で確率変数Zが独立で同一の極値(ガンベル)分布に従うと仮定すると、
    消費者iがm個の選択肢の中でjを選択する確率は

    Pij=exp(Cj+βjXij) / Σ{k:1→m}exp(Cj+βjXik)

  • ちょっと統計をかじったくらいではちんぷんかんぷん。

  • これいいわぁ。

    心理学者はどうしても,古典的・伝統的な統計技法にとらわれがちだけども,マーケティング業界はその辺,自由に取り込んでいくわけで,そういう姿勢は是非見習わんとイカン。

    本書で紹介されているモデルは選好空間,知覚空間,セグメンテーション,質的選択,ベイズ推定といずれも最新の統計モデルである。しかも,それぞれに心理学的なエッセンスが含まれている。

    特に,ベイズ推定の話は,ベイズの定理からMCMCの説明に突然飛ぶのではなくて,丁寧に話のステップを一つ一つ追っていってくれる(本書では5ステップの思考のジャンプが必要,とある)。ここを丁寧に解説してくれている本は,初めて見た。おそらく理系のあたまをもった著者では創造しにくい,文系ならではの悩み(すぐに実態をイメージしてしまうので,数式の展開だけで納得しない)をよくわかっている書き方だなぁ,と感心した。


    心理学者もデータを取るだけでなく,取り方や分析の仕方からもっと夢を見るべきだ。

    ちなみにこの本は自分で見つけたのではない。師匠が「これを読め」と教えてくれたのだ。さすがお師匠,お目が高いっ!

    さて,もう一度自分の博論を考え直すかねぇ・・・(うしし)

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著者プロフィール

[現職]東京都立大学経済学部教授。[専門]マーケティング・サイエンス。
「消費者行動の予測を目的としたマーケティングセグメンテーション」『マーケティングサイエンス』vol. 6, 1997。『新製品開発』朝倉書店,2000。『マーケティング・リサーチ工学』,朝倉書店,2000。『マーケティグ・シミュレーション』同友館,1994。など

「2001年 『食料消費のコウホート分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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