- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061567016
作品紹介・あらすじ
言語と音楽の起源とは? 何がヒトとサルを分けるのか? 自然界に隠された驚くべき暗号を最新認知科学が読み解く! 定説をうちくだき、まったく新しい視点から「人間とは何か?」に迫る、かつてない知的興奮の書。
感想・レビュー・書評
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言語や音楽は、脳にそなわった認知能力を利用しながら進化したというのが著者の立場。
本作のテーマはなかでも「音楽」。
音楽は人間の動作が立てる音やドップラー効果をその土台に持つ、という仮説を展開するのが本書だ。
ドップラー効果とメロディとの類比関係の指摘は面白かったけれど、
人間の動作とリズムや音高との関係などはあまりに当たり前すぎる内容ばかりでちょっと拍子抜け。あれだけのデータを収集して示す必要があったのかと言いたくなる節がなくもなかった。
とはいえ、著者はユーモアあふれる人らしく、語り口が魅力的。中身はところどころ退屈だったけど、楽しく読めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前提条件や比較の仕方や比喩が好きじゃない。
名声ほしさに自分の発見のつじつま合わせをしているだけのように感じた。 -
人間の脳が(話し)言葉を使えるように進化してきたのではなく、言葉の方が脳の使いやすいように合わせて進化してきた。
同様に。音楽は、人間の感情を揺さぶるものが生き残ってきた。それは、人間の動作音を模倣している。
文化が人間に合わせて進化してきたってところは当たり前っちゃ当たり前だけど、確かに音の組み合わせ方まで分析してみるとへぇ〜と思った。単純に口に出しやすいだけじゃん?とも思ったけど。
音楽が人間の動作音を模倣しているから感情を揺さぶるんだっていうのは
若干こじつけもある気がするけど興味深い。 -
『ヒトの目、驚異の進化』で、人が文字を用いるに至った過程にフォーカスした著者が、同じく人が操る特異な事象である言語と音楽の謎に迫る。結論は興味深いのだが、それに至る過程を機能的に書いており、論文的なテイストが強いので、読み物としてはその応用・発展先も仄めかされていたらより良いのにと感じた。
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読み始めはとても良くて、最近の文法回路発見の話ともつながって私の最近の思考ともとてもあっているなあと思ってましたが、音楽の部分がひどい。こじつけ。ドップラー効果を音楽のもとに考えるといいんじゃない?って発想はいいんだけど、それの裏付けのやり方がひどすぎ。科学的でない。だいたいドップラー効果の音程変化でメロディーを説明するとか音程変化の幅が違いすぎだと思うんだけど。音を認識する認識機は周波数分解してるってことまでは解剖学的にわかってるんだからドップラーとかに固執する必要ない。しかも説得力ないし。後ろのほうはあらさがしだけをしながら読む苦痛の読書となりました。悲しい和音と、楽しい和音がある。それはなぜみたいなことのほうがよっぽど仮説としてたてても楽しいのにな。私のそこについての仮説は、そもそもの感情の定義が周波数の重なり方という感じです。だからメジャーとかマイナーとかセブンスってのは、感情の本質なの。
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帯文:"かつてない知的興奮の書。" ”最新認知科学が明かす言語と音楽の起源。そして見えてくるわたしたち人間の正体とは?”
目次:序章 読む力は本能なのか?、第1章 能力のリサイクル、第2章 言語は”ぶつかる”、第3章 メロディーの原材料、第4章 音楽は”歩く”、終章 わたしたちは何者なのか? アンコール、付録 -
日経書評、2013-11-03
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ずいぶん大仰なタイトルだが、言葉は自然界の音を
模してできあがった、音楽は人の動作音を模して
作られたということを書いた本で、それ以上でも
それ以下でもない感じ。
終章の「わたしたちは何者なのか?」のところが一番
興味ある箇所なのに、そこがスッと終わってしまう
あたり、研究の途中の中間発表を聞かされたような
印象が強い。前著「ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い
視覚能力があるわけ」ほどの衝撃はなかったな。
著者プロフィール
マーク・チャンギージーの作品





