鏡の中の物理学 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (129ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061580312

感想・レビュー・書評

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  • 光の不思議な性質を、裁判というまた変わった例えの中でうまく説明している。あくまで例えなので厳密にこういう理由でとは説明していないが、わかりやすい。

    もう少し厚い本であればよかったと思う。薄い本なのであっという間に読める。

  • 「鏡の中の物理学」は、自然法則の対称性について。「素粒子は粒子であるか」「光子の裁判」は量子力学について解説している。
    量子力学について、はじめて少し理解できたと思えた。素粒子というのは普通の粒子にはない不思議な性質を持っている。私たちの常識とは目に見える限られた世界の常識にすぎないんだなぁと改めて思った。

  • この本を知っている方が4人身近にいるのですが、4人とも全員におすすめされました。読むよー!

  • かつてノーベル物理学賞を受賞し、今は多磨霊園に眠る朝永博士の著書。ノーベル賞の季節とは全然関係なく、多摩地域にいた人ってことで興味があって読んでみました。なるべく簡単に伝えようという気持ちが伝わってくる裁判形式での光子の特性なんかは、突出した存在だったことを伺わせるなと思いましたが、物理離れてずいぶん経つ自分にはちょっと難しめでした。。

  • 著者は「鏡」を端緒に物理学は何であるかを問い始める。力学的な鏡、時間的な鏡、熱力学的な鏡・・・という具合である。取るに足らない議論のように思えるものの、示唆を与える。熱力学では、力学のように元に戻ることはありえない。
    また力学において、動いてる電車の中でも止まっている電車の中でも、ボールを落としても同じように下に落ちる。それでは光ではどうか、光は波であるとする考え方があり、それならば、自転および公転方向と同じ向きに発射した光と、直角方向に発射した光とでは差が出るはずだ・・という実験をした。しかし、結果は同着であった。どのような状況であれ、光の早さは同じなんだ、それがアインシュタインの相対性理論である、とする。

    またすべての物質はあらゆる素粒子(電子、原子、中性子など)からできていることはしられているが、これに関する記述は、甚だ我々の常識とは異なる。色や自己同一性を持たない、方向性や運動を持たない、はてさてどんなものか?著者は「電光掲示板のLEDのようなものだ。LEDが次々と点灯すると粒が動いているように見えるが、実際はそういうものがあるわけではない。」とする。

    本自体はそれほど厚くはないし、簡単に読むことができる。

  • 守田君がなんちゃって理系だったことにあやかって、最後はガチ理系な短編集の紹介です。オススメは、三つ目の推理小説、「光子の裁判」です。
    著者である朝永振一郎先生はノーベル物理学賞(受賞内容は量子電磁力学)を受賞されております。そんなバリバリの理系人間が、頭の中では如何にしょーもないことを考えているかを体感してもらいたい。

    波乃光子被告(女)がある部屋に不法侵入した罪で逮捕された。進入経路は、この部屋に二つしかない窓であることは被告も認めている。焦点は「どのような状態で」窓を通過したかです。本文は裁判を傍聴している著者の視点でかかれています。


    波乃「私が侵入の直前に部屋の外にいたということには確かな証拠があります」(光の粒子性)

    波乃「私は二つの窓の両方をいっしょに通って室内に入ったので」(光の波動性)

    傍聴していた朝永「ところで私は今被告がどんな顔をしていたか、どんな姿をしていたか、どうしても思い出せないのです」(不確定性原理)


    光や干渉縞を擬人化しています、萌えポイントです(私もよくムーミンとかに置き換えます)。1つずつ可能性を潰していくところなんて、推理小説好きな人なら、きっと気に入ります。真面目な量子力学の話は、短編二つ目の「素粒子は粒子であるか」に収められています。つまり、ふわふわした視点でこれを書き直したのが「光子の裁判」なのです。

    一番気に入っている文は、解説の中にあったりします。
    「・・・「先生の発見は何の役にたつのでしょうか」という質問に対してファラデーは「生まれたばかりの赤ん坊が何か役にたちますか」と反問した・・・」

  • 1-3 物理学

  • 量子力学を、身近な事柄に置き換えて、また小説のように置き換えて、非常に分かりやすく解説した本。

    まだ学問をならいたての人でも理解できるレベルの簡単な書き方になっている。

  • 1965年に「超多時間理論」「くりこみ理論」によってノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎氏の物理学エッセイ。「鏡の中の物理学」「素粒子は粒子であるか」「光子の裁判」の3篇収録。

    物理は高校で学んだくらいの門外漢であるわたしでも、素粒子やら、量子力学の世界を覗かせてもらえる、平易なエッセイ。
    理解しきれてはいないけれど、特に後ろ2つが面白く読めた。

  • 「光子の裁判」のところが とりわけおもしろい。
    波野光子 という量子的粒子を被告とした裁判劇。どうして窓Aと窓Bを両方通り抜けることができるのか。

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