鏡の中の物理学 (講談社学術文庫)

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レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (129ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061580312

感想・レビュー・書評

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  • 出版年が1965年当時は、一級線しかもノーベル物理学賞(出版が先か受賞が先かはわからないけれど)を受賞した朝永振一郎が書き下ろした素粒子理論学の一般図書。

    現在ではもう少しわかりやすく図解とともに解説した本がたくさんある。が、当時、一般向けに素粒子理論を説明した彼は学術的な業績と共に教育者としても尊敬できる。
    本書の内容は2008年小林・益川量両氏がノーベル物理学賞を受賞した功績と関係が深い。

    古典力学および相対論では位置座標を反転させても(つまり鏡に写しても)方程式の形は変えない。
    例えば、ボールを手から落としても鏡には同じように映るし、時間までも反転させても同じ物理学に従っているように見える。
    本書の主題では、ある種の粒子は鏡に写すと実際の空間とはちょっと異なる動きをするかもしれないということである。いわゆるパリティ対称性の破れについてである。

    平易な言葉で記してあるが、小林・益川理論で注目を浴びたときに刊行された書籍のほうが本書を読むよりもわかりやすいだろう。

  • 推薦理由:
    1965年にノーベル物理学賞を受賞した著者が、物理学の基本的な概念や、科学を研究することの意義を、平易な表現でユーモアを交えながら説いている本書は、物理学入門の名著である。

    内容の紹介、感想など:
    本書には表題作「鏡の中の物理学」を含む3篇が収録されている。表題作では、自然の法則は、一般的な3次元に時間の次元と粒子・反粒子の次元を加えた観点から見れば完全な対称性をもつ事を、3種類の鏡を使って説明している。2編目の「素粒子は粒子であるか」で、量子力学において電子や光子などの素粒子がどのようなものと考えられているかを説明する。最も面白いのは最終編「光子の裁判」である。不可分のひとりの人(?)でありながら2か所の窓から同時に部屋に忍び込んだと主張する「波乃光子」被告の裁判で、論理的にありえないと断ずる検察官に対して、量子電磁力学の創始者ディラック弁護士が、様々な実験をしながら、光子が波動と粒子の二重性を持つことを証明するという裁判劇を描いたもので、具体的につかみにくい量子的粒子の概念を、擬人化により見事に説明している傑作である。

  • 光子の波動性と粒子性についてわかりやすく説明してあり、物理に知識がない人でもわかりやすい使用になっていて素晴らしかった。

  • 物理学の短編集。

    「鏡の中の物理学」
    鏡が物理学理解の鍵だと分かりました。

    空間の鏡と、時間の鏡。
    対称性に着目することが、問題を解く鍵のひとつだと分かりました。

    「素粒子は粒子であるか」
    位置と運動量の両方を同時には定められないという事象を丁寧に説明している。

    「光子の裁判」
    古典的な物理の知識だけで、光子に法律を適用しようとすると矛盾がおきることを、
    裁判形式で展開している。

    物理学が苦手な人が読むとよい。

    こんなに面白い本を、読んでいない人がいるのは残念。

  • 和図書 420/To62
    資料ID 2010200669

  • 朝永振一郎の考えに触れられる本だった。
    数学で記述された文章とは違う物理現象の見方を誘わせる。

  • 私にとっては難しい物理の話なのに、面白く読めた。
    大好きです。

  • 目に見えないことについて考えたことを言葉にする、ということについて考える。平易な言葉で限りなくわかりやすく書いてあるのだろうけれど、まだ自分には早すぎた。勉強し直そう。

  • 状態を変えること無く観測できないという量子が、今暗号通信に利用されようとしているが、その辺りにも触れられていた。魅力的な世界です。2007/10/21

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