- Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061580459
感想・レビュー・書評
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非常に面白い。考えるとは一体どういうことを言うのか。これを明文化することって思った以上に難しい。自分でやってみようと思ってもなかなかうまくいかない。その一つの答えを示した本だと感じた。知ることと考えることを区別し、さらには正しく考えるための論理をかなり分かりやすく説明してある。それは突き詰めればきっともっと難解で複雑なもの、例えば高校の数学の証明問題に用いられた記号の羅列(薄学ゆえこれくらいの知識しかないが)になってくると思われるが、それを用いずに解説してくれているところが、文系の人間にとっては頼もしい限りである。誤用していた三段論法も、つまるところ意味上の間違えより論理上の間違えが重要視される。この点において、それを知ってか知らずしてか利用している政治家の答弁などには舌を巻く。正しい判断には、正しい論理性が必要なのだなあ。
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なにか考えるとき、それはほんとに論理的か、という問を考えるようになった。道筋をそれた考え方は、誰にも認められないという事実を目の当たりにして、自分はすこし怖気づいた
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2012/11/3〜
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子供に読ませるのに丁度よいハンディサイズ。
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出版社/著者からの内容紹介
人間がものを考えたり、互いに意志を伝えたりするとき、その媒介となるのはことばである。しかしながらコミュニケーションに際しては、往々にして相互の誤解や行きちがいが起こりがちである。ことばを使う上で大事なことは表現内容を論理的に整えることである。本書は、ことばで考えることのいちばん中核にある「理づめ」の世界を、分析哲学の権威が平易な文章で説き明かす、刮目の論理学入門書。
著者紹介
1916年東京生まれ。慶応義塾大学西洋哲学科卒業。慶応義塾大学教授を経て現在慶応義塾大学名誉教授。専門は哲学。主著に「現代論理学入門」「現代のフランス哲学」「哲学の基礎」「知識の構造-ドグマの克服と科学的思考」「哲学」「認識の風景」、学術文庫に「論理と思想構造」「言語と人間」などがある。 【画家紹介】 -
文学には論理技術(特に演繹)が必須、とつくづくおもうこの頃。
これは少年少女向けに書かれた、論理学の入門書です。
現在の子供たちがこれを読んで理解できるか、といえば疑問だけど、
論理学なんていう大学生の中でも一部のマニア(?)しか触れないような分野に入門書があるなんてすばらしい!、と感激した一冊。
身近な事例がいくつも用意されていて
(登場人物は太郎くんと次郎くんです)、
身の回りの論理学について分かりやすく丁寧に述べられています。
また、子供向けに専門用語が削ってあるので言葉が難しすぎて読めない、ということもありません。
論理学に詳しいひとから見れば当たり前のことだらけでも、こんな平易な言葉で書かれると新鮮に感じられるかもしれない。
論理学に馴染みがないひとは、これを読んで少し興味が湧くか、もっと嫌いになるかの、どちらかだと思います。
しかし昭和33年から再販を重ねているわけだから、やはり名著なのでしょうね。 -
論理学の名著であり、入門書。
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世の中には理屈によって説明され、反抗できないことがあります。
本文から例を挙げれば、「2+3=5」といったもの。
これを「2+3=6だ!」と主張したところで、論理的に誤っています。
このように「正しく考える」ということを「論理的に」「理詰めで」説明しようとした一冊です。
我々は、上の簡単な数式を考える際にも頭の中では
「2たす3は5」ということばを用いて考えることが多く、
「正しく考える」際には「ことば」の重要性を看過することはできません。
したがって、本書では「ことば」を素材として論理的な思考が追及されています。
内容としては、「そして」「あるいは」「〜ならば」「〜ない」といったことばの働き、
「三段論法」の真偽、
「たしからしい」とは何か、といったものを扱っています。
正しく考え、正しく表現したいと思い、手を伸ばした一冊です。
この分野の素人からすると、
200ページもない文庫本ですが、めっちゃ勉強した気になります。
頭が良くなった気がすること、間違いありません。