日本風景論 下 (講談社学術文庫 60)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061580602

感想・レビュー・書評

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  • <上巻のレビューから続く>

    さて下巻に入り、
    いよいよ流水作用の話に入る・・・と思ったらまず「付録」として登山の留意点などが延々と語られていてびっくり。

    とはいえこういうところから、ちょっと「現場主義」らしさがにじみでてかえって好印象(野外科学なんだなと)。

    流水作用による美しさが立ち現れるからこそ山の魅力がある、といったようなことも語られ、我が意を得たりという気分になった。

    とくに、花崗岩における浸食がもっとも美しいとの言説には共感。「(花崗岩の場合が)流水浸食の神韻」との表現も印象的。
    このほか、石灰岩の浸食などにもふれ、流水の浸食による種々の現象とそれによる美をとく内容は、本書の、地形・地質から日本風景を論じるねらいに照らすとまさに象徴的。

    そう、まさに地形・地質から日本風景の特質を論じる、解き明かす内容は、面白く、説得力があり、いまの時代にもじゅうぶん新しいとさえ思う。歴史的良著。
    (あとは古文がもう少しすらすら読めたらなぁ・・・)

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著者プロフィール

志賀重昂(しが しげたか)
1863年 -1927年。地理学者、評論家。)札幌農学校卒業。東京専門学校などで地理学を教える。「国粋保存主義」を説き、機関誌『日本人』を創刊。のち衆議院議員、英国王立地学協会会員など多彩な活動をした。著書に、『南洋時事』『地理学講義』『世界山水図説』『知られざる国々』など多数ある。

「2014年 『日本風景論 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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