芭蕉入門 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061581227

作品紹介・あらすじ

この道や 行く人なしに 秋の暮
松尾芭蕉はひたすらに俳諧の道を追求した人だった。芭蕉の芸術の完成までにはいくつかの曲折があった。はなやかな機知で世間の人気を集めた時期もあり、世俗への反抗心から固苦しい作品を作った時期もある。本書は芭蕉の人生行路をひとつひとつの句を追って描いている。芭蕉の俳句への入門書であると同時に、ひとりの男の生き方をも描く、芭蕉研究の第一人者による書きおろし。

感想・レビュー・書評

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  • 松尾芭蕉の生涯と、作品、作風を分かりやすく語る本です。著者の芭蕉への深い共感とリスペクトに溢れています。芭蕉が死ぬまで求めて止まなかった俳諧への思いに打たれます。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/739695

  • まじでむちゃくちゃよかった

  • NHKのラジオ放送をもとにしたようで、芭蕉の事績を平明な語調で解説。

  • 齋藤孝著『大人のための書く全技術』40冊―16

    芭蕉はどんな人物で、どのように旅をしていたのか、この本を読めばわかる。

  • すごく読みやすい一冊でした!
    まさに『芭蕉入門』。

    世間と芸術の間で煩悶する芭蕉。
    生活は芸術のためにあるのだけど、まるっきり一人ではそれも成立しないわけで。
    そうした境地を目指す芭蕉を認め、面白く感じた世間がやはりそこにはある。
    けれど、その世間と近しくなればなるほど、またそうではないと感じる。

    その微妙なバランスが、でも、よく分かる。

    言葉自身は動かぬものだが、最短のリズムで私たちをその世界に誘う力は、すごい。
    悲しきかな、日本に織り込まれた様々な風流や定義をポロポロこぼしてきた私だけど、17音に導かれる世界にハッとさせられるときがある。

    仕事用に購入したが、良かった。

  • 松尾芭蕉の生涯と、彼の追及した風雅の意義について解説している入門書です。

    「俳諧師芭蕉」というタイトルで24回に渡って放送されたNHKラジオの番組をもとにしているとのことで、たいへん分かりやすく書かれています。

  • 松尾芭蕉の生涯と芭蕉が追い求めた人生や人間像、美を解する人間に対する理想と「人とはこう在れば美しいと思う」という芭蕉の考えを著者の井本氏の解釈も加えてわかりやすく噛み砕いて説明しています。
    学校で習う以上に松尾芭蕉を知りたい方にオススメします。

  • もとはラジオか何かの公演だったそうです。
    初心者にもわかりやすく、芭蕉の作品やその変遷を解説してくれています。

  • 無性に奥の細道・・・というか芭蕉という人物が知りたくなり衝動買い・衝動読み

    タイトルが示すとおり「芭蕉」という人間の生涯を時系列ごとに追い、
    時々で彼の作風が(蕉風と呼ばれる)どのような契機で以って完成していったのかを辿っている。

    郷里の伊賀から江戸へ一旗上げることを目論見、上京(当時は上京とはいわないのかも)
    念願叶い、俳諧師として江戸でちょっとした売れっ子になる。

    しかし謂わば流行の最先端に居る自分に嫌気が差し半隠居、
    世間から外れたアウトサイダーとしての道を歩み始める。

    当初は俄然肩肘張った反世俗的風情が滲み出る作品が
    幾度もの旅と時を経るにつれ徐々に和らぎ、角が取れ一種の諦観を内包するようになる。
    そして「奥の細道」旅行でその作風は完成される。

    本の内容は言ってしまえばたいした事はない。
    だが、そこかしこで取り上げられる芭蕉の俳句と著者の解釈が読者を飽きさせない。

    この本を片手にのんびりと彼の辿った旅路を辿りながら俳句を味わってみたい気分にさせてくれる。





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