教養の伝統について (講談社学術文庫 202)

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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061582026

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  • 漱石の小説は根本的に都会小説である。
    高校生では漱石なんて理解できるはずがない。
    我々は毎日多くの本を読み、絵を見、音楽を聞いて、それぞれ自分なりにわかったと思いこむ。本当のところは決してわかってはいないのだ。けれどもそう思い込む。このため、本当にわかるということの恐ろしさがわからない。本当にわかるということがいかに運命的なものであるかを。
    古い時代のシナや日本の文人には独特な教養の伝統があった。
    戦後、国文科よりも英文学科の方がプレスティージがあった。漱石も子供の頃には漢文が得意だったが漢文でなく英文学科に行ったのは当時アヘン戦争で英国がシナに勝ったから。

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著者プロフィール

上智大学名誉教授。英語学、言語学専攻。1930年、山形県鶴岡市生まれ。1955年、上智大学大学院修士課程修了後、ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学へ留学。ミュンスター大学における学位論文「英文法史」で発生期の英文法に関する研究を発表。ミュンスター大学より、1958年に哲学博士号(Dr.Phil.)、1994年に名誉哲学博士号(Dr.Phil.h.c.)を授与される。文明、歴史批評の分野でも幅広い活動を行ない、ベストセラーとなった『知的生活の技術』をはじめ、『日本そして日本人』『日本史から見た日本人』『アメリカ史の真実(監修)』など多数の著作、監修がある。2017年4月、逝去。

「2022年 『60歳からの人生を楽しむ技術〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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