竹取物語 全訳注 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 79
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061582699

作品紹介・あらすじ

この書物を手に取る人は、「かぐや姫」の話に、幼時の追憶をなつかしく蘇らせるにちがいない。そして、この作品を読み終える時、あなたが青年であるならば、より心豊かに生きる知恵を学ぶだろうし、人生の経験を多く持つ人ならば、過ぎ来し方をかえりみて、疲れた心に、慰藉と激励を与えられることだろう。『竹取物語』の現在古写本の1つ、吉田博士蔵本に初めて全訳注を施し、新しい理解と鑑賞へ読者を招待する。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと前になりますが『かぐや姫の物語』を読んでふと。
    やはり原作を知っておくと、味わいも深まりそうです。

    確かに『源氏物語』でもとり上げられいたかと思いますが、
    日本にとっての物語の始まりとも、位置付けられていますね。

    大枠の話の流れは『かぐや姫の物語』と変わりませんが、
    一つ異なっているのは、ラストの「富士山」のくだり。

    不死から転じての富士、この辺りは記紀ともつながりますね。
    個人的には、帝をソデにするとの筋がこの時代に描かれたことも興味深いです。

    その帝、『かぐや姫の物語』では大分悪辣な描かれ方をしていましたが、、
    あれはエンターテイメントを追及した結果、なんですかねぇ。。

    なんて思いながら、映画もそろそろ見ておきたいな、とも。

  • 高1の古文の教科書に、冒頭の部分と結末部とが掲載されていた。当時から疑問に思っていたことは、『源氏物語』に「物語の出で来はじめの祖」と語られているほどに古い文献なのに、どうしてこんなに平易な文体なのかということであった。それは後に、最古の写本でさえ室町期までしか遡れないことを知って氷解したが。したがって成立も不明だが、「かぐや(輝かしい)姫」という美意識は、王朝よりもより古代的なものだろう。人間世界に流離する月の世界のお姫様の物語はよく知られているが、あらためて読んでみると、なかなかに趣き深いのである。

  • 昔話のかぐや姫の原作?ですが、結構楽しめました。
    5つの難題や月の都の人など設定が豊富。登場人物は多いのにキャラも立っています。
    また、文章が簡素なので各キャラの感情表現にも想像の余地があります。この点が、高畑勲『かぐや姫の物語』といった後続作品による再解釈やアレンジを許すのでしょう。
    解説はこの物語を俗物vs超俗の2項対立で捉えています。もちろんこの時代の仏教思想を踏まえた上でですが、それだけでない懐の深さがあるようにも思います。例えば、超俗のかぐや姫は、翁に対してどのような情を向けていたか、5人の貴公子には冷たいように見えるその真意は、などと想像を巡らせて苦にならないのが、この短編のいいところです。
    ただ、完成度が高いので、日本最古の物語感はないです。読みやすすぎて、平安時代の文章って感じもあまりない。

  • 昔話的に訳された竹取物語ではなく、全訳で読むことによって改めて知ることがあるかもしれない。

  • 伊東などを舞台とした作品です。

  • 2009/7/19 チェック済み

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