私の個人主義 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 141
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061582712

感想・レビュー・書評

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  • 『大学新入生に薦める101冊の本 新版』の96番目の本。
    夏目漱石の講演が、それぞれ約30ページで5本収録されている。この本は高校倫理の教科書ではよく部分的に引用されていているが、それだけではもったいない。内発的開化や浪漫主義の言葉の意味は教科書に載っているが、では実際に漱石はなぜこのような事に言及したかについては教科書に載っていない。ずいぶん昔の話ではあるが、現代にも十分通じる内容の本で、しかも読みやすいので読んで欲しいと思う。

  • 夏目漱石の小説は好きだけど、講演録を収めた本書が実は一番好きだ。

    本書は5つの講演録を収めたもので有名な講演「道楽と職業」も収められている。これは職業は自分本位では成り立たないよ、でも例外があって学者や芸術家は道楽をするように自分本位でなければ成功しないという話。我儘であること。つまり彼らにとって道楽すなわち本職なのである、と漱石先生はいう。


    職業とはなんだろうか、と考えるきっかけになる話だ。



    一番のお気に入りは「私の個人主義」。手垢にまみれた言葉を使えば自分探しや自己実現といった悩みに漱石は真剣に取り組んだ人だった。
    あの漱石でさえ悩み(神経症にまでなって)、苦しみ、葛藤したのか、と思うとなんだか親しみを覚える。


    くだらないビジネス書や自己啓発書を読むよりためになる一冊です。

  • 目から鱗が落ちた。と同時に、少し肩の荷が下りた。小説は勿論のこと、この随筆も珠玉。模索中の今だからこそ、ポンと背中を押してもらったような感じ。

  • 20120509Amazonマーケットプレイス

  • 伊藤忠丹羽前社長が読んだ本ということで、きっと素晴らしい考え方が書かれているんだろうとに興味を持って読んだ。

    【私の個人主義】
    文学を学んでいた夏目漱石。始めは周りの意見に耳を傾けていた。しかし書物を読む意味がわからなくなってしまった。その時はじめて、文学とはどんなものか、その概念を根本的に自力で作り上げるほかないと悟った。それまでは全くの他人本意であった。彼は自己本意という言葉を自分の手に握ってから強くなった。自己が主で、他は賓である。

    【道楽と職業】
    自分の力に余りあるところ、すなわち人よりも自分が一段とぬきんでいる点に向かって人よりも仕事を一倍して、その一倍の報酬に自分に不足したところを人から自分にしむけてもらって相互の平均を保ちつつ生活を持続する。=自分のためにすることはすなわち人のためにすること。=己のためにする仕事の分量は人のためにする仕事の分量と同じである。人のためにする分量が少なければ少ないほど自分のためにはならない結果を生ずるのは自然の理。人のためになる仕事を余計すればするほど、それだけ自己のためになるのも明らかな因縁。

    職業の分化錯綜が進めば進むほど我々は片輪な人間になってしまう。言い換えると、自分の商売が専門的に傾いてくるうえに、生存競争のために人一倍の仕事で済んだものが二倍三倍ないし四倍と段々速力を早めて追い付かなければならないから、その方だけに、時間と根気を費やしがちであると同時に、お隣のことや一軒おいたお隣のことが皆目わからなくなってしまう。大きく云えば、現代の文明は完全な人間を日に日に片輪者に崩しつつ進む。
    →解決策 本業に費やす時間以外の余裕を挙げて文学書を読む」

  • びっくりした

  • 軽妙な文体、平易な言葉、真摯な人柄。少しの皮肉とユーモア。
    漱石先生ほんとうに素敵です。

  • 凄いの一言に尽きる。
    近代日本開化を多面的に見て、自分の中で明確に捉えてる。なかでも個人主義の解釈には感動して言葉が出ない。

    漱石さんが戦中に生きてて、あの暴走した社会を見てたら何を感じたんだろうか

  • 展示期間終了後の配架場所は、1階 学士力支援図書コーナー 請求記号:914.6//N58

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著者プロフィール

夏目漱石(なつめ そうせき)
1867年2月9日 - 1916年12月9日
江戸・牛込馬場下(新宿区)生まれの小説家、評論家。本名は「夏目金之助」(なつめ きんのすけ)。1890年、帝国大学文科大学英文科に入学。1895~96年には『坊っちゃん』の舞台となった松山中学校で教鞭を執る。1900年、イギリスに留学。1905年、『吾輩は猫である』を俳句雑誌「ホトトギス」に連載し始め、作家活動を本格的に開始。1907年、朝日新聞社に入社。以降、朝日新聞紙上に『三四郎』『それから』『こころ』などの代表作を連載。日本の文学史に多大な影響を与えており、作品は多くの人に親しまれている。学校教科書でも多数作品が採用されている。

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