- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061582743
作品紹介・あらすじ
本書は、江戸時代後期の林家の儒者佐藤一斎の、42歳から80歳にかけての、前後40年にわたる思索の賜物と言われる「言志四録」のうち、その第1巻たる「言志録」をを上梓するものである。変革期に於ける人間の生き方に関する問題意識で貫ぬかれたこの語録集は、幕末から明治にかけて多くの人々に影響を与え、西郷隆盛も自己の座右の書としていたと言われており、今日なお修養の糧として、また処世の心得として得難き書である。
感想・レビュー・書評
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江戸時代を代表する儒学者・佐藤一斎が、その後半生に書き著した『言志四録』。修養の糧として、また処世の心得として多くの人々に愛読されたこの語録を、平易な訳文で紹介する書籍。
『言志四録』は、江戸末期の儒学者であった佐藤一斎の語録の総称で、『言志録』『言志後録』『言志晩録』『言志耋録』の4篇から成る。この4篇に収録された1133条の内容は、倫理道徳、学問修養、政治法律、処世の教訓など多岐にわたる。
『言志録』の第1条は一斎が42歳の時の作であり、『言志耋録』は80歳の時に起稿された(「耋」は80歳の意味)。この40年間の社会情勢を見ると、『言志録』の執筆を始めた1813年は、徳川11代将軍家斉の時代で、文化爛熟の中に頽廃の兆しが生じつつあった。そして『言志耋録』が上梓された1853年は、米艦が浦賀に来訪し、国内の情勢が一変しようとしていた。
一斎は、1772年に江戸の藩邸に生まれた。幼少の頃から経書に親しみ、12、3歳にして「ほとんど成人のごとし」といわれた。34歳の時、官学の名家であった林家の塾長となり、70歳で昌平黌(江戸幕府の学問所)の儒官(大学長)となる。多くの門下生を教え導き、1859年に88歳で没した。
一斎は幕府の儒官であり、官学である朱子学に造詣が深かった。しかし、朱子学のみに拘泥せず、王陽明の学をはじめ、多種多様な学問・書に通じていた。
横井小楠、中村正直など、一斎の門に学んだ人々は数千人を数えた。幕末日本の先覚者といわれる佐久間象山もその1人で、象山の門下から勝海舟や坂本竜馬、吉田松陰などの志士が輩出した。また、『言志四録』は、西郷南洲(隆盛)をはじめ、多くの維新志士たちに愛読された。従って、一斎は直接間接に明治維新の原動力であったといっても過言ではない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難しかったです。
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言志四録のうち、1つ目の言志録。246の語録でありそれぞれは短く様々。江戸後期の儒家ということもあり論語に近い感を受ける。何回も読み自分の経験も合わせて血肉としていくべき古典。
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大臣のことを信頼せず、そばに侍るものを信頼し、女性の言うことを聞き入れる。凡庸な人君はこのようである。
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これはね、もう読んでもらうしかない。解説云々の次元ではないです。
私は本書のシリーズから2つの要素を得ています。
1つは学ぶことへのモチベーション。
もう一つは実経験に照らし合わせ、具体的なシーンでの立ち振舞いのヒントです。
まずはビジネス云々は抜きにして(私は巷でよく見る「ビジネスに効く」的な売り方は大嫌いなので)、一斎がその言葉に込めた真意を理解すること。そののちにこれを仕事なり私生活なりにどう応用できるかを考えるとよいと思います。
あと何気に訳者の付記にキラッと光る解説や引用が含まれていて、得をした気分になれます。 -
江戸時代後期の儒者、佐藤一斎の著書。全四巻。
人はいかに生きるべきかを説いている。
例えば、「自に厳、他に寛」
現代の下手な自己啓発本を読むぐらいなら、この本を何度も繰り返し読んだほうがいい。
西郷隆盛の座右の書。 -
書斎の本棚から百冊(立花隆選)76
日本思想
江戸時代の儒者の本。40代から80代にかけて書いた。年代によって内容が大きくなっていく。 -
言志四録は、佐藤一斎先生の語録。
全4篇
・言志録(246条)
・言志後禄(255条)
・言志晩録(292条)
・言志耋録(340条)
生きる上で、ためになる本。 -
展示期間終了後の配架場所は、1階 学士力支援図書コーナー 請求記号:121.55//Sa85//1
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陽朱陰王の評を受け、幕末から明治にかけ学びし人々は数千人という、多くの人々に影響を与えた佐藤一斎の語録。
崇高過ぎてついていけないところもあるものの、菜根譚や言志録にあるのはやっぱり生きていくうえで普遍的なテーマばかりですね…
(普段いかにできていないかは、ポストイットの数でカウントできます 笑)
88歳まで、全四編を40年かけてまとめられたその時代背景と照らし合わせて、何度も読みたい修養の書です。
著者プロフィール
佐藤一斎の作品





