とりかへばや物語(4) 冬の巻 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061582965

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  • 平安時代後期に成立した作者は不詳の物語です。関白左大臣の2人の子供が、男児は「姫君」として、女児は「若君」として育てられることとなったことから始まる物語です。本巻が最終巻となります。前巻で元の性別に戻った2人は、それぞれ社会的にも成功者になってハッピーエンドです。この2人以外の主要キャラは、最後まで滑稽で損な役回りを演じる人もいればちょっと可哀そうな立場になってしまった人など悲喜こもごもです。マリア様がみてるで福沢姉弟が、これを学園祭で演じることになってましたが映像化されなかったのが残念。見てみたかった。

  • 物語はめでたしめでたしで幕を閉じますが、二条殿に、右大将(男君)夫妻、尚侍(女君)の里邸だけでなく、宇治の妹宮に権中納言をお婿にして、あの若君まで住まわせるというのは、どうなのでしょう? 当時の読者もニアミスを心配しつつ読んだのかしら。

  • 資料番号:010778983
    請求記号:913.3ク

  • 最終巻は、兄と妹が入れ替わったことで両親や2人に関わった姫君など、みんな幸せになりましたとさ、チャンチャン、という感じで終わりました・・・
    正直4巻はいらなかったのでは?!と思うくらい話も進まず、盛り上がりもなく、結構退屈でした。
    が、全巻とおして振り返るとなかなか面白かったです。
    この時代、男性には男性にしか、女性には女性にしか出来ないことばかりで、現代のように男女が同じように働く、とか、同じような服装でいる、とかがありえない。そんな時代に性を逆転させ、性別による思考回路の違いを描いてる作品って斬新!とあらためて感心しました。

  • 第四巻。三巻で女主人公救出は終了ているので、四巻は入れ替わった二人がその後どのように幸せになったかという後日談のようなものだ。兄は人臣位を極め、妹は国母となるという、めでたしめでたしと言っていい流れ。
    ただ、気になったのは四の君が生んだ宰相中将との間の子。四の君と夫婦となった兄の右大将も宰相中将の子には冷淡なようだし、その後の記述も全くない。主人公に絡む人間ではないからだろうが、子供達の微妙な立場を考えると可哀想だ。当時の風習ではどうなのか分からないが、宰相中将が引き取って育てろよ!と思う。四の君は右大将の手前、何も言えないだろうに。最後の最後まで宰相中将は最低だ。

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