平家物語(一) (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061583511

感想・レビュー・書評

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  • 平安の末期、下級武士に過ぎなかった平忠盛が後白河天皇の後ろ盾もあって殿上人にのし上がったのを契機に、その子清盛の時代には平家一門が世を支配し、あまつさえ横暴を極めるまでになった様を、平家の影で泣いた人々の姿と当時の社会秩序の乱れを織り交ぜて描いた第一巻。(1/12巻…途中で挫折するかもしれません…)

    原文を読むと、枕草子や源氏物語の時代に比べ、ぐっと私たちの現代語に近づいていることがわかります。言葉の推移としては当然のことなのに、古典のイメージが根強いせいか、なんだか不思議な気分になります。

  • 原文はさすがに口伝である為か、割に読みやすい印象ですが、原文から古語への注意が米印による連絡をされていない点、岩波に慣れているせいか?とまどいました。
    しかし丁寧に訳されています。原文、現代語訳、語釈、解説というなんという丁寧さ。時代背景諸共に説明のある有り難さです。

    今巻は祇王と仏の百合(語弊)が萌えました。

  • 祇園精舎/殿上闇討/鱸/禿髪/吾身栄花/祇王/二代后/額打論/清水寺炎上/東宮立/殿下乗合/鹿谷/俊寛沙汰 鵜川軍/願立/御輿振/内裏炎上

  • なんとなくわかるかなとおもっていたのだが。

  • 構成としては、「原文」→「現代語訳」→「語釈」→「解説」で1セットをくり返す形になっている。原文と語釈が離れているため、少し扱いにくい面もある。また、内容だけが知りたい人にはオススメできない。解説はしっかりしており、「他の版」との比較もしっかり為されているためじっくり読む人には向いている。また、登場人物の別の箇所での動向の解説も詳しい。以前登場した人物に関してはとてもわかりやすく良い。これ以降の動向に関しては純粋に物語として楽しみたい人にはネタバレになってしまうので悪い面もある。
    内容に関しては古典なのでこの本に限らないが、まずこれを琵琶法師が語っていた、という目線で見ると、語りたい内容を当時から考えて昔の出来事を引用してその説得力を増している点が趣があって良い。
    清盛の時代がメインとはなっているが、その父忠盛の時代から語ることで平家の成り立ちを説明するとともに、貴族に軽んじられている時代を描くことで劇的にも魅せている。
    ここに挿入される説話とは限らないが、白拍子という舞女である祗王の話は当時の仏教観が詰め込まれており非常に面白い。最後の展開は劇的であり、今見ても素晴らしい作品だろう。
    真中から先の話は摂関家と仏教勢力との対立構造の話である。平家の動向は各所にちりばめられているが、話の流れとしては邪魔をしている面が大きいか。

  • 日本古典の代表格とも言える『平家物語』
    寝る前にコツコツ読んでたっぷり長い時間をかけて読んだ。後世の歴史家の筆によるものではなく、同時代の証言だけに生々しく迫るものがある。第一巻では平家の権勢から比叡山の横暴などが綴られている。『平家』を読むと、当時の人々の信仰心の篤さ(皇室や仏教、社寺に対する)がよくわかる。

  • 日本史未履修、予備知識ほぼゼロの私でもほぼスラスラ読めた。とりあえずは雰囲気を味わいたいがために読んでいるとはいえ、原文と訳文を両方、適度なまとまりで参照しあえる安心感はありがたい。

    どこも面白かったけど、なぜかやたらに本筋と無関係な「桜町の中納言茂範」のエピソードが頭に残った。

    「桜は咲いて七箇日に散るを、余波を惜しみ、天照御神に祈り申されければ、三七日まで余波ありけり。君も賢王にてましませば、神も神徳を輝かし、花も心もありければ、廿日の齢をたもちけり。」

    無性に素敵。

  • 日本人のこころ!

  • 高野本ベースで注釈が懇切丁寧。こんなに親切でなくてもいいなら岩波の4巻セット(覚一本ベース)のほうがいいかも

  • 木曾最期だいすき。

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著者プロフィール

1927-2015。国文学者。法政大学大学院日本文学専攻(修士)卒業。法政大学名誉教授。著書に『軍記物語の世界』(名著刊行会)、共著に『平家物語』、『戦記文学:保元物語・平治物語・太平記』、編著に『平家物語と歴史』(共に有精堂出版)などがある。

「2017年 『新版 平家物語(四) 全訳注』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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