平家物語(六) (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061583566

感想・レビュー・書評

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  • ついに清盛が死にます。その病の壮絶なこと。
    入道相国やまひつき給ひし日よりして、水をだにのどへも入れ給はず。身の内のあつき事、火をたくが如し。ふし給へる所四五間が内へ入る者は、あつさたへがたし。ただ宣ふ事とては、「あた〈」とばかりなり。すこしもただ事とはみえざりけり。
    比叡山より千手井の水をくみくだし、石の舟にたいたへて、それにおりてひえ給えば、水おびたたしくわきあが(ッ)て、程なく湯にぞなりにける、もしやたすかり給ふと筧の水をまかせたれば、石やくろがねな(ン)どの焼けたるやうに、水ほどばし(ッ)て寄りつかず。おのずからあたる水は、ほむらとな(ッ)てもえければ、黒煙殿中にみちみちて、炎うずまいてあがりけり。

    頼朝が首輪はねて、わが墓のまへにかくべし。それぞ孝養にてあらんずる」
    と宣ひけるこそ罪ふかけれ。

    遺言まで悪役。でもその後、天下を掴むまでは吉兆があり、尊い人と思われていた?エピソードが続きますが、そのご、小松殿も入道相国も居なくなった平家の拠り所のない心細さが源平合戦にも反映されて行きます。

  • 新院崩御/紅葉/葵前/小督/廻文/飛脚到来/入道死去/築島/慈心房/祇園女御/嗄声/横田河原合戦

  • 平家の核であった清盛の死と、いまだ京から離れた地で蜂起する源氏と縁起の悪い事象に振り回されつつも、現実感が伴っていない残された平家一族と宮廷人たち。源頼朝、木曽義仲など、有名武将も登場し始め、いよいよ軍記物らしくなってきました。

  • かなしいくらいだめですね。

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著者プロフィール

1927-2015。国文学者。法政大学大学院日本文学専攻(修士)卒業。法政大学名誉教授。著書に『軍記物語の世界』(名著刊行会)、共著に『平家物語』、『戦記文学:保元物語・平治物語・太平記』、編著に『平家物語と歴史』(共に有精堂出版)などがある。

「2017年 『新版 平家物語(四) 全訳注』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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