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Amazon.co.jp ・本 (197ページ) / ISBN・EAN: 9784061583948
みんなの感想まとめ
テーマは、戦後日本の状況とその歴史的背景に対する鋭い考察です。著者は、明治憲法の導入と民衆の教育勅語の受け入れとのギャップが、民族国家の存亡に影響を与える様を示唆しています。特に「ユダヤ・ローマ戦争」...
感想・レビュー・書評
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抽象的な表現が多々登場し、執筆当時の情勢・歴史的背景も関係してくることから内容を読み解くのが難しい部分があった。
戦後日本が置かれている状況を「ユダヤ・ローマ戦争」と対比することによって説明する箇所は、ぼんやりとその内容を把握する感触を持てた。西欧思想の影響を強く受けた明治憲法の導入、その一方で民衆の中では教育勅語が口伝される。このような統治システムと非統治者側とのギャップが、その民族国家の瓦解するきっかけとなることを言いたかったんだろうと思う。
最後に本著の終盤に記された痺れるフレーズを載せておきたい。第七章以降の山本七平の文は読者に対して強く突き放すような辛辣な印象を与える部分もあるが、それと同時に1人の人間として自身の人生の主導権を持ちながら生きていくと決心する勇気を与えてくれる。
【「ではどうしろと言うのか。」言うまでもないが、この言葉は全く無意味な言葉であり、それは「私は人間でなく奴隷である」と宣言しているのに等しいのである。】
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□選定理由
・著者の類書紹介から
□感想
・40-50年前の本だが、冒頭の石破氏の前書き同様に、日本が何も変わっていないのでは?という印象を持った。
・自分の頭で考え、自ら責任をとり、動かしていける人達を増やして当たり前の世の中にしていかないと、奴隷で思考停止の集団しかいない国になってしまう可能性。考え続けようと思った。 -
ユダヤ人がローマ帝国によって支配される運命を特異な観点から見とどけることになったフラウィウス・ヨセフスの『ユダヤ戦記』を参照することで「民族の滅亡」の条件について考察をおこない、近代以降の日本がたどりつつある運命に対する警鐘を鳴らしている本です。
著者の問題意識は、明治以降に進歩主義を中核とする西洋文明が日本に流入し、さらに敗戦によってそうした状況に対する認識のまなざしが曇らされてしまっているなかで、われわれは「民族の滅亡」の道をたどっているのではないかというものです。こうした問題を提起しつつ、著者は状況のなかで体感される「臨在感」にのっとって、みずからの置かれている状況に目をふさいでしまう傾向を克服しなければならないと主張しています。
ただし、著者はそのための具体的な処方箋を提出することはおこなっていません。むしろ、問題だけを示しておいて、「それではいったいどうすればよいのか」という問いかけに対する手っ取り早い解答に飛びつくようなわれわれの精神のありかたにこそ、この問題の根があると指摘しています。
著者特有のもってまわった議論の運びかたになじむことができず、著者の真意をつかめたのかどうか心もとなく感じています。ただ結論は、著者の他の著作でもしばしば語られているところに落ち着いているようで、読むのにてこずったわりには既読感をおぼえてしまいました。 -
山本 七平の再評価が頻りだが,これはまだ絶版のまま再販されていないらしい.業界は大いに遺憾とすべきである.やっと時代がこの本の問題意識を共有出来るところまで追付いた今,とっとと再版して広く読まれるべき本だと思うぞ.
「では我々はどうすればいいのか」と問いがちな日本人を,そういう問いは奴隷根性だと言い放つ鮮烈さが小気味良い.しかし,これの初版は70年代で,民族の存亡どころか「ジャパン アズ ナンバーワン」なんて言って浮かれてた時代.さぞ煙ったがられただろうなぁ.
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