中国古典名言事典 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (1979年3月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (1020ページ) / ISBN・EAN: 9784061583979

作品紹介・あらすじ

中国文学の碩学が8年の歳月をかたむけ、厖大な中国の古典のなかから4800余の名言を精選、簡潔にして分かりやすい解説を付した卓越せる名言名句集。どの章句にも古典の英知・達人の知恵・人間のドラマが宿っており、人生を生きる指針にみちている。激動の時代を生きる現代人が座右に置いて、あらゆる機会に再読・三読すべき画期的な辞典である。実用の便に詳細な目次と索引、人物略解を付した。

感想・レビュー・書評

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  • 私の精神的支えとなっているのが、
    論語、孟子、荘子、老子に代表される中国古典です。
    この事典は、私のバイブルになっているもので、ことあるごとに手にとっています。
    名言が現代語訳で、簡潔にまとめられているので、
    数分の空き時間でも、
    読むことができます。

    諸橋博士は、中国に渡つて、
    現地の名だたる文化人と交流をしています。
    それは、『諸橋轍次博士の生涯』にまとめられていますが、
    一度手にとってみることをお勧めします。
    また、最近では、北京大歴史学科に橋本秀美先生が、
    教授職をされていました。諸橋博士が、もしこの事実を聞いたら、
    狂喜乱舞していたかもしれません。

    この事典の最大の利点は、利便性だと思います。
    誰が、何に関して(自然なのか、人間なのか、政治なのか、男女なのか、両親、兄弟なのか)、
    どの書で、書かれているかその索引が、まとめられています。
    こんなことは、普通の人間ではできません。

    この書を座右の書としてもいいですし、ここから、本格的に、
    中国古典に接してみるのもよいと思います。
    今ならネット中華書店などの中国簡体字バージョンの本も気軽に買えるようになっています。
    現代中国語をやっている人は、是非、手にとってみることをおススメします。

    中国古典は、現代日本では、「過去の知識」、「古臭い教訓」となっていますが、
    日本の学問の源流は、誰も否定できなく、中国古典です。
    その事実を、忘れてしまったのが、近代日本の不幸であり、現代の教育です。
    中国古典の知恵がバックグランドにあり、実践すれば、受験で失敗しようが、
    会社をクビなろうが、破産しようが、肉親・友人から騙されようが、
    大して問題だと思わなくなり、主体的により良い生き方を実現することができます。
    もちろん、それは、非常に困難を極めますが。

    では、中国古典を再度熱心に勉強すればいいかというと、
    そうではなく、その問題意識の深さ広さを学ぶべきだと思います。

    日本は現在コロナ禍ですが、その中で、どういう問題意識を持つことが、より良く生きられるか、
    それは、コロナ対策本や、各種ニュースを見ても、全くわからないと思います。
    論語で、孔子は、「学びて厭わず」と言いましたが、
    「学び、学び、学び、そして学ぶ、決して飽きることはない」
    という諸橋博士の現代語訳は、いつまでも色あせていません。個人、個人が主体的に学ぶことしか、問題意識を育み、その解決方法も、考えることができません。

    アジア諸国の中で、日本が最も感染対策に失敗しています。感染対策とは、その国の政治力を測る上で非常に重要なバロメーターです。政治ダメ、経済ダメ、そして教育もダメになっています。日本は、もう二度と国民の大多数が豊かな生活を享受することはできないでしょう。

    ただ個人個人がよりよく生きる上で、最適な材料は、日本にはたくさんあります。高度成長期から、バブル期以後もニュータウンと称してバンバン日本の美しい里山を破壊しましたが、それでも日本には、まだ美しい場所が沢山あります。また故人が残してくれた沢山の書物もあります。そういったものを上手く活用すれば、今の絶望的な日本でも、より良く生きることは、可能だと思います。この諸橋轍次氏が残してくれた古典名言事典も、その一つだと思います。

  • 様々な興味を満たしてくれる本です。

    漢文特有の言葉の響きも、そこに含まれる示唆も、綴られた背景も面白いです。

  • 中国文学の碩学が8年の歳月をかたむけ、膨大な中国の古典のなかから4800余の名言を精選、簡潔にして分かりやすい解説を付した卓越せる名言名句集である。
    どの章句にも古典の英知・達人の知恵・人間のドラマが宿っており、人生を生きる指針にみちている。激動の時代を生きる現代人が座右に置いて、あらゆる機会に再読・三読すべき画期的な辞典である。

  • 自分には、網羅したいという欲求があることを自覚しているのですが、中国古典の名言を文字通り網羅しています
    手元に置いて時に眺めており、口耳四寸の学を
    実践しています

    件名索引から読むのも楽しいです

    より詳しく知りたくなったら検索かけたりしています

    諸橋 轍次(もろはし てつじ、1883年6月4日 - 1982年12月8日)は、漢字の研究者で大著『大漢和辞典』や『広漢和辞典』(ともに大修館書店刊)の編者。99歳で亡くなられた。

  • 内容は濃厚でボリューミー、およそ1000ページの分厚い文庫本。どれほどの悠久の時を経て残ってきたのか分からないけど、その偉大な言葉たちがこの一冊にあるのかと思うと感激する。事あるごとに調べたりするのはもちろん、何気にページをめくってみたりするだけでも、知らなかった素敵な言葉に出会えたりするので楽しい。たぶん、あの言葉のリズム感が好きなんだろう。

    NOTE記録
    https://note.com/nabechoo/n/n1fbf1ac5d0bd

    本のことをもう少し言えば、文庫本でこのボリュームなので、やはり文字が小さい。今はまだ大丈夫だけど、いつか見にくくなるんだろうなー。それまで残ってるかな…。

    各書?の始まりには、それについての説明文があり、短いながらとても良くまとまっている感じで、概要が分かりやすく、且つ魅力的な文章に惹きつけられ、強い興味をもたらしてくれる!

  • 11/9/19 進化論

    ■ビジネスの世界において、

     「人柄」「人格」について語られることは
     昔と比べて少なくなりましたが、

     (昔は、もう少しそういうことについて
      言及される機会も多かったように思います)


    だからこそ、あえて、
     自省、そして自制の念を込めて、

     「鮒谷さんは、いいお人柄だなあ」

     と30年後くらいに言われるように、
     日々、少しづつでも努力していこうとおもいます。



    ■そのための活動の一環として、


     【今日のお薦め本 中国古典名言事典】

      http://amazon.co.jp/o/ASIN/406265329X/2ndstagejp-22/ref=nosim


     この本(事典)を常に身近におき、
     長月にわたって、研究され続けてきた

     「人間学」

     を学ぼうと思います。

     日々、繰り読みしていこうとおもいます。


     (ちなみに、この事典の存在は、
      JASDAQ上場企業の株式会社エーワン精密

      ※創業約40年の売上高経常利益率が約40%という
       驚異的な経営をされている企業

      の創業者で、現在、取締役相談役をされている
      梅原勝彦さんに教わりました)



     今日も人生とビジネスを楽しみましょう!

  • (仮説)
    良い評判より悪い評判の方が桁違いに拡散しやすい。

  • ちょっと暇が出来たときにパラパラと読んでます

  • 激動の時代を生きる現代人が座右に置いて、あらゆる機会に再読・三読すべきという熱い紹介のとおり中国古典のエキスを搾り取った極上な体裁になっています。何より無駄な能書きのない解説が素晴らしい。
    ちなみに第一部は江戸時代の辺りの人達が一般的な教養として知っていたとあるが、昔の日本人は相当に古典に精通していたことが偲ばれる。

  • 町立図書館 学術書庫

  • 文庫でこの値段は高い!と思われるでしょうが、とにかく中身が充実。中国の各名言は一通り網羅されているので、個別で買うよりもずっとお徳と言えるでしょう。永久保存版

  • 四書五経などを全て素読でもしておけばよかった。

    幼い頃のインプットは恐るべし。

    取り返しはできないものだが、ふむふむ、と頷きながらこんな本を読み進めてもいいだろう?

    大人になってからだと、素読はいまいち沁み込んででこない。

  •  中国古典を志す者だけでなく、日本古典を齧る上でも持っていれば本当に何かと便利な一冊。
     文庫なので、確かに詰まった字体に拒否反応を起こす方もおられようが、しかし、これだけの情報量が詰まっている書籍が、手軽に携帯可能というところが良い。
     近世文学の授業で、本当に驚くほどお世話になったな…。

  • 200におよぶ主要な中国古典・随筆から約4800の名言が採録されている。膨大な情報量で、これ一冊で足りる。字が小さいのが難点。

  • 学術文庫版1979.3刊。1999.6購入。索引が充実しており、まさに「読む事典」。「公論を借りて以て私情を快くすることなかれ」(菜根譚)

  • これだけ広く中国の古典を網羅した辞典で、文庫サイズのコンパクトなものは他になし。惜しむらくは文字がかなり小さいこととフォントの古さか。

  • 名言格言の類が好きなんです。専門(循環型社会)とは関係ないんですけど、疲れたら眺めるべく研究室に置いています。

  • 筆者が数ある中国の古典作品から4千800余の名言を選んだものであるのだ。
     
    何気にぺらぺらとめくるのが楽しい一冊なのである。
    もちろん、知ってるものもあれば、知らないものもある。

    この手の辞典はつらつらとめくるのが楽しいのであり、覚えようとか、勉強をしようと思うと途端に楽しくなくなるのである。
    息詰まった時に、ぺらりんと読んでみたら、どうなのだろう。

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諸橋轍次の作品

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