- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061584792
感想・レビュー・書評
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ペリーの来航から明治初期にいたるまでの歴史を解説し、まったく新しい世界史の舞台に投げ入れられることになった日本人が、そのなかでどのような選択をおこなったのかということを論じている本です。
著者は、長崎の出島などのごく一部における交流を除いて、世界への扉を閉ざしてきた日本が、ペリーの来航によって否応なく西洋と対峙しなければならない状況に直面させられることになったとしながら、何人かの先覚者たちがそのような状況を真摯に見つめようとしていたことを明らかにしています。とくに著者は、大塚久雄が「近代的人間類型」の特徴として、個人の「内面的自発性」、「公平」の観念、近代科学へ向かう「合理的思考」、そして「名もない民衆の日常的経済生活を深くも顧慮するところのあの社会的関心」をあげたことに触れて、幕末から明治にかけての日本人のなかにそうした特徴をもつ人びとがいたと主張します。
内発的な「近代化」への動きを拾いあげていくという本書の枠組みは、現在ではすこし古びてしまったようにも感じられますが、著者の議論は平明で幕末から明治初期の大きな流れを把握する手助けになります。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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著者プロフィール
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