- Amazon.co.jp ・本 (604ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061584914
作品紹介・あらすじ
平安朝期、藤原氏栄華の世界の男の生きざまを、男の手によって内部告発的に描き出した異色の歴史文学作品。叙述は紀伝体であるがそれが却って登場人物の性格を特徴的に捉え、あざやかな人物像を照し出し、四人の話者の語り口と相まって、歴史の見方のとかく片寄りがちな弊を巧みに避け得て、謀略的事件の真相を伝えている。歴史の鏡に写る当代一七六年間の登場者にあびせる真実と讃美と批判のはざまに、和泉式部紫式部も顔を出す。
感想・レビュー・書評
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色んな人が出てきて、読むのに疲れました。
平安時代の高貴なお方の生活が見えた気がした。
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あまりにもあからさまな道長ヨイショはどうかと思うが、藤原氏の栄光の階段を登る様子をわかりやすく伝えている。今でいうワイドショー的な立場から。
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新書文庫
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[墨田区図書館]
機会があって大鏡の現代語訳を探し読みしたが、数冊見た限りではこの本が一番読みやすかった。ただ、原文は載っていないので、対比訳が必要な場合には不向き。 -
長年本棚に入っていたが、通読するのは初めて。今まで何度か手にはとったのだが、前から順番に読んでいると藤原氏の系統をたどる物語の途中で飽きてしまい、結局兼家とか道隆等の興味ある人物の項のみ拾い読みしていた。だが今回は抵抗なくすらすらと進み、気付いたら読み終えていた。たまたまタイミングがよかったのかもしれない。
最初に世継の翁自身の口を通して書いている通り、この「大鏡」の目的は結局のところ道長賛美。だが随所に藤原氏に対する批判も書き入れられており、その辺がただただ道長礼賛している「栄花物語」よりも歴史的価値が高いとされている。
……というのはまあ古文の授業で必ず言われるところ。とは言っても目的が「道長賛美」であるので、批判と言ってもそれほど強くは感じなかった。
帝紀にしても藤原氏の物語にしても、個別のエピソードが豊かな人物の項が面白い。また、他の古典文学で見知った人物の話には特に惹かれるものがあった。特に義懐については、枕草子の「小白河といふ所は」を思い出してしみじみとしてしまうな。 -
その持ち上げられ具合から当時、藤原氏(特に道長)が誇っていた栄華を窺える賛美ぶりです。そのような内容でありながら一族に都合の悪い事実にも目を背けず、藤原北家に肩入れしつつもそれなりの公平さを持つ姿勢と、時に痛烈な批判を織り込むのを忘れないバランス感覚が特徴でしょう。身内による政治争いなど陰湿な話もありますが、老人の昔語りというスタイルがほのぼのムードを引き出し、独特の魅力を演出しています。歴代天皇や数多の大臣を前座に据えた、藤原道長物語といった印象でしょうか。次はアンチ道長の本が読みたくなりました。
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藤原道長はじめ、藤原家と、歴代天皇について記した歴史書(といっていいのか)。僕的に読んでて「藤原さんちの裏事情」ってかんじで読んでて楽しかったです。訳も読みやすい。
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高校2年生/図書館にて
913.42オ
3250 -
古文の中でも大好きな作品