- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061585393
感想・レビュー・書評
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筑波大学の前身である高等師範学校で柔道家の嘉納治五郎が校長を務めていた頃、現在の筑波大学生物学類へとつながる生物学の礎を築いた偉大な動物学者・丘浅次郎が同校で教鞭を取っていました。本書は丘の代表作の一つで、まだ生物学が博物学から脱し切れていない時代に、多様な生物のそれぞれの生き方に哲学的意味を見出しながら生命の根源的な在り方に迫った、生物学と哲学の融合した丘流の学問世界が繰り広げられる一般書です。
食べたり食べられたり、一緒に棲んだり、相手を利用したり、子どもを産んだり育てたり、生物が生きていくための奇妙な手段の数々が、人間の感覚で理解しやすい表現で綴られています。
丘はホヤの分類学や発生学の研究者でした。今でこそホヤはゲノムの解読によって、脊椎動物に最も近い無脊椎動物であることが知られており、発生の時に必要な遺伝子や、神経の機能についての研究が進められている興味深い研究対象ですが、部分的に凹凸のある、のっぺりとしたゴム塊のような姿は、まさに「へんないきもの」です。
生きもの好きの人は勿論、生きものに特別な興味を持ったことのない人も、この本を読めば生きものに対する見方が広がります。
(2013 ラーニング・アドバイザー/生命AKIYAMA)
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上:http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=109607&lang=ja&charset=utf8
下:http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=109608&lang=ja&charset=utf8詳細をみるコメント0件をすべて表示