- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061586482
作品紹介・あらすじ
本書は、英文学・英語教育に精通する著者が、外国語と日本語の文章を対等に比較・客観視して、日本語のあるべき真の姿を解明したもので、学者的直感と見識が随所に読みとれる。とくに、言葉は幼いときの基礎がいかに大切であるかを説く著者の筆鋒が、折にふれて国語教育への鋭い言及となって現れる。教育者のためばかりでなく、言葉や文章に関心のある一般読者のために、日本語の根本的な問題を考察した画期的な文章論といえよう。
感想・レビュー・書評
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書き言葉と話し言葉の両面に渡って、気を付けるべき点を平易に解き明かしている本です。
何よりも、著者自身の文章が平明達意で深い味わいのある名文だと感じさせられます。英語雑誌で短い文章を書くのに苦しんだという著者自身の体験が語られていますが、そうした文章修行を経て、著者自身の名文が作られてきたのかと、納得しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この人は上手な文章のお手本。話も嫌味がない。
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タイトルが目を引く。「日本語の文章」ではない。
日本において、文章の書き方、読み方がどう捉えられているか。学校の作文教育に問題あり。
以下、個人的な思い。
思ったことを書け、良い点と悪い点を両方書け、この2つしか学校では習わなかったと思う。受験勉強で小論文の書き方を勉強して初めて書き方が分かった気がする。 -
ちと前に読んだので中身は忘れ気味。
でも、主張している内容はまさに廃れて消えてしまう寸前で、
自分がこのままの文章書いてたらますます情緒はなくなっていくのだろうなあ。
20年後の人が読んだら、残念ながらだいぶ時代錯誤だと感じるのでは、と思ったことは覚えている。
漢文の教育をしっかり受けたかったなあ。
「これはと思った名文を徹底的に読みぬいた所で、文章における楷書の骨法はおのずから会得される」
今一度、星新一を読みぬいてみようか。 -
日本の文章。実に壮大かつ捉へどころのない茫洋としたタイトルであります。
本書をちらちらとのぞいてみますと、一つの章がまことに短い。何かの雑誌に連載されたコラム的な文章でせうか。
著者によりますと、文章の書き方を説いた本ではなく、われわれの文章がどのやうなものであるかを考へたものであるさうです。
「文章といえば、文字だけの言葉、声を失った表現を考えがちなのが、これまでの日本である。文章も言葉であるから、肉声と縁を切るわけにはいかない。ここでは耳で読む、耳でも読める文章に注意している。そこから新しい日本語のスタイルが生まれるかもしれないと考える」(「まえがき」)
なるほど日本では読書といへば黙読といふ暗黙の了解みたいなものがあつて、音読は子供がするものと決め付けてゐないか。これは明治以降の翻訳文化の悪しき影響であると著書は述べます。
ずばり「耳で読む」といふ短い章があります。たとへば書き上げた文章を推敲する時に、音読してみれば良いらしい。音読することで、リヅムの悪い文章、同じ言葉の繰り返しが多い文章などを撃退出来るのであります。
以上は一例で、さういふ目からウロコ的な提言主張が全部で28章も収められてゐるのです。これらを惜し気もなく一冊にぎゆつと詰め込んだ、まことに贅沢な書物と申せませう。
http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-277.html -
この人の日本語をお手本にしなさい、
と誰かが言ってたので読んでみました
本当に自然な日本語で
「なにをいってるのかわからない」
ということはまず起こらない。
自分もこんな文章書けるようになりたいな、
と思わされました。
著者プロフィール
外山滋比古の作品





