- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061587113
作品紹介・あらすじ
1949年、構造主義の原点をなす「親族の基本構造」によって注目をあびたレヴィ=ストロースは、その後サン・パウロ大学教授としてブラジルに滞在。その間、文化人類学者としての限りなき自己追求と、無であるが故にあまりにも悲しき熱帯の様相を交叉させながら、カドゥヴェオ族など四つの部族調査をおこない、その成果を本書『悲しき南回帰線』において見事に結実させた。世界の文化人類学界に一大転機をもたらした不朽の名著。
感想・レビュー・書評
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かつてのフランス現代思想・構造主義の隆盛の契機となったクロード・レヴィ=ストロースの主著のひとつ。『親族の基本構造』や『構造人類学』のような論理先行の著書ではなく、ブラジル先住民のフィールド調査を行う民族学者になった経緯や、旅行記と調査記録と思想書を合体させたような不思議な本。
ただ、上巻はあまりにも読み進めづらく、たぶんメインとなる各部族の描写・分析やレヴィ=ストロースの思想を滔々と述べるのは下巻を待つ必要があるので、ひとまず、レビューは下巻にまとめた。
→ 『悲しき南回帰線』(クロード・レヴィ=ストロース)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/479071733X
なお、『悲しき熱帯』のタイトルで知られる川田順造訳(中公クラシックス)の方が今はよく知られていると思う。”TRISTE TROPIQUE”がなぜ南回帰線と訳されたのかは謎。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔、読み切らなかった本。
これを読んだら、構造主義がわかるんだろうかと、手にしてみたが、船旅のだらだらした話の途中で断念。南米への旅の話と思ったら、唐突に第二次大戦の頃、フランスナチスの傀儡政権が出来た頃の旅に。そして南米の話は急にインドの話になる。正直、かなり読みづらい。
(引用)
しかしわれわれのユークリッド的精神が空間の性質についての理解にいかに逆らうものであっても、天文学上の、あるいは気象学上の大現象が、かりに認知しえなくても消滅することのない係数の領域に影響しないと云うことは、われわれの力を越えたことである。(引用終わり)
最後の 我々の力をこえたことである、というのは前後の文章から、理解できないことだ、という意味かと思う。つまり、天文学や気象学の現象は影響するはずだ、という文意かと読む。
今回は、年を取った効用で大雑把に意味を取って読んでいくことができる。若い頃は、何を云っているのか判らなかいで、ウンザリした。言葉の意味が分かっても、何が云いたいのか読みとれないところもある。訳が悪いのか、元々が分かりずらい文章なのか。「悲しき熱帯」というタイトルの訳書もあるらしい。読み比べてみようかとも思う。
冒険譚に何の意味があるというが、奥地への旅から俄然面白くなってきた。
取りあえず、兎も角ここまでは読み終えました。
読んだうちに入らないかもしれませんが。 -
下巻にまとめます
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前半は感傷的な旅行記なのだが、上巻の終わりくらいから調査のドキュメントと文化人類学的な考察が直截に語られるようになる。この本が文化人類学の名著として挙げられるのは、この部分についてなんだなと納得。前半の”文学的”なところを読んでいても、なぜこれが作者の代表作と挙げられることが多いのが全然わからなかったが、後半になるにつれて面白くなっていく。こういうことは、この本を紹介する人はきちんと述べておくべきではないか、と思った。(今まで二回読みかけて、どちらも調査に出かけるところまでたどりつけなかった…)
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何度読んでもいいなー。人はいかにして人類学者になるかの章。内向性と基礎研究の性質の親和性は高い。半分隠遁系というか。彼は結局合理的一元主義に惹かれたらしい。個人的にはポストモダンよりは断然このぐらいのモダンが好き。
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文化人類学者レヴィ=ストロースの中で最もとっつきやすい本。
日本語訳に悪評があるけど、整理しながら読めばそれほどでもないと思う。 -
¥105
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