東洋の理想 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 149
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061587205

作品紹介・あらすじ

西洋の先進文明が怒涛のように我が国に押しよせてきた明治近代黎明期に、当時の知性の代表者のひとり岡倉天心は敢然と東洋の素晴らしさを主張した。有名な「アジアは一つ」の文章から起こし、インドに発する仏教、中国における儒教等に言及しながら、それらの宗教がいかに日本の美術と融合し発展し新たな伝統文化を生成したかを論じる。「我々の歴史の中に我々の新生の泉がある」とする本書は日本文化の本質を再確認させる名著である。

感想・レビュー・書評

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  • 岡倉天心 東洋の理想。「アジアは一つである」で始まる。この序文が この本の命題。序文の意味は アジア文明に共通している 東洋の理想は 一つである という意味。

    著者は インド文明や中国文明は 一つの日本の文化に集約されている と考え、日本文化の通史の中から 東洋の理想を 抽出しようとした

    本文の最初(理想の範囲)と最後(展望)は 素晴らしい。

  • 我々の歴史の中に我々の新生の泉がある」とする本書。日本文化の本質とは何か?今一度、再確認させられます。

  • 仏教を中心にして書く。
    アジア全体の文化史。
    どこからその文様やら思考やらは生まれ、どこでどんな発展をして、日本ではどう受け入れられたのか。
    岡倉天心が各時代の文化をどう見ているのかが印象深い。
    最後にある明治時代、展望という2つの章にも考えさせられる。
    富国強兵の後、日本はどんな状態で戦争へと突入したのか。
    戦前の状況とはどんなものだったのか。

  • 西洋文化をコケにしている本?
    あるいは、日本文化の優位性を強調した本?
    根性はいっとるから面白い!!

  • 日本文化を東洋文化全体の流れの中に位置づけ、西洋と対比された「東洋の理想」を闡明する。「アジアは一つである」という宣言がのちの大アジア主義に与えたインスピレーションの問題もあるが、中々面白い著作。

  • ・「アジアは一つである」をテーマに日本の文化について中国やインドの学問、宗教からの影響を時代を追って解釈している。
    ・アジア文化の歴史的な富を唯一日本でのみ知ることができる、とする点は、現代人の我々の意識にあるのだろうか。
    ・日本の文化を欧州文化と比較するところはテーマが壮大。明治時代をルネサンスと重ねる視点も面白い。
    ・宗教や芸術に関する史実の知識がないと読んでいて深まらない(未消化状態になる)。知識欲求を刺激する本だ。

  • 「アジアは一つである」という有名な一文から始まる、岡倉天心作の日本文化論。読者の側に、一定の教養を要求される。その意味では、私個人はまだ読者足りうる資格を有していないと痛感。
    それにしても、今から150年前にこれだけの国際感覚、深い教養を備え、その上に日本人としての自尊心を兼ね備えている人物が存在していたことには脱帽としかいいようがない。もっと教養をつみ、自分を研鑽していかなければ、と発破をかけてくれる一冊でもある。

  • 低評価ですみません。
    面白く感じなかったのは
    私の興味のない事柄だったのと
    私の知識不足によるもので、
    本のせいではありません。
    でも高く評価されている名著と名高い本なので
    今更私が背伸びして高評価を与えなくても
    この本は全くびくともしないと信じます。

    と、書きながらも、やはり文章は退屈だと思う。
    まー、書かれた時代、また英語で書かれた本ということで
    ある程度は間引きするべきなんだろうけど。
    私は内容のみならず読みやすさ(や時には装丁)も
    ここでの評価対象としているので。

    資料としては素晴らしいと思うし、
    日本史とアジア美術が好きな人にとっては興味深いのでは。
    最後の章「展望」だけは面白く読みました。

  • インドの仏教、中国の儒教、道教、老荘思想。
    宇宙原始の1つ1つに顕現しているということ、したがっておのおのの変種はいずれもひとしく真正であるということ、
    万物の一体ということと関係のない心理は存在しないということ、これが科学におけるインド人の心を開放する信念。(東洋の理想 p104 岡倉天心)

  • 東洋美術史を、時系列に、そして、それらは因果律で描かれている。また能動態で描かれた歴史表現は美しく。いかに、著者が時代を愛し、美術を愛しているのかがわかる名作。

    内容を示すことで、興味をお持ち頂ければ幸いということで、作者に畏敬の念を払いつつ、紹介させて頂きます。

    著者曰く、東洋の歴史は長く、その美術の歴史は人間の歴史である。そして、その流れは偶然にも、アジアの中の島国・日本に、多くその歴史を刻む結果となった。日本は、アジアの思想や美術、歴史的価値観が結集した結果を残している。その素晴らしさを伝えるべく、歴史の道程を描いている素晴らしい著作です。

     おそらくこの著作を読まれた方は、レビューすべきではないと感じる方もおられるかと思います。しかし、恐れ多くも、ここに記させて頂いた言い訳として、私は、多くの方に、この本を読んで頂きたいと感じました。もしお手元にとって開いて頂ければ、幸せです。

    乱筆乱文、大変失礼いたしました。

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プロフィール

1862-1913。横浜生まれ。本名岡倉覚三。東京大学文学部卒。フェノロサに師事。東京美術学校校長を経て、横山大観らと日本美術院を創立。ボストン美術館東洋部長として国際的に名を知られた。生前刊行した単行本として、本著の前に『東洋の理想』、後に『茶の本』の英文三部作がある。

岡倉天心の作品

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