自然学の提唱 (講談社学術文庫 737)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061587373

作品紹介・あらすじ

私はこの長い一生のあいだになにをしてきたか、ということを問いかえしてみると、終始一貫して、私は自然とはなにかという問題を、問いつづけてきたように思われる。それも何々学に代表されるような部分自然でなく、つねに全体自然というものを、追い求めていたような気がする。私の求めていたものは自然学なのであった。自然を理解しようとする学問であり、自然観の学問であると定義してもよいかもしれない。

感想・レビュー・書評

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  • 先日亡くなられた梅棹先生がどこかで書かれていた。京都学派は読みやすい文章を書くと。どこからどこまでが京都学派かよく知らないけれど、きっと今西先生の書くものも読みやすいのだろうと思い読み始めた。確かに文章自体は読みやすく書かれているが、内容がすんなり理解できるかどうかは別問題。ずいぶん前に「ダーウィン論」を読んだはずなのだけれど全く覚えていない。ダーウィンの進化論に異を唱えていることだけは確か。生物の進化はそのときが来れば変化するのであって、強いから生き残る、つまり自然淘汰ということはないと主張されている。では、どういうときにいっせいに変化するのか。そのあたりがはっきりしない。また、種個体、種社会、生物全体社会という3つの構造が、具体的に何を指しているのかイメージできないままだった。別の著書もしっかり読むべきなのだろう。後半のエッセイで、山についての記述がある。70歳をすぎて精力的に山を登り続ける姿には感嘆をおぼえる。そして、今西先生が数多の生物や山登りを通して得られた自然観には共感をおぼえる。古本の中からたまたま見つけてきて読みました。

  • 後半部、山に関する文章等は関心がわかない。

    前半部、類似の話題の重複が多いのが難点だが、それでも「種」を個体の集まりではなく、それ自体として扱っていこうという、今西生物学の姿勢は伝わってくる。そうはいっても、今西生物学の内実を理解するなら、本書だけでは確実に説明不足。

  • 突然変異を主眼に置いた、今西進化論を唱えた今西錦司さんの、論説文や講演の書き起こしを収録した本…だったはず。こういう方からどんな言葉や考えが飛び出すんだろうと思って読みました。ちょっと難しかったかもしれない、あんまり覚えてないです。今西さんの名前は、坂本龍一さんと村上龍さんがゲストを交えて鼎談する本、『EV.Cafe』で知ったんじゃなかったかなぁ。梅棹忠夫さんとか桑原武夫さんとかとたぶん交流があって、彼らとともにその時代の一線にいた知識人です。

  • 636夜

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著者プロフィール

1902-92年。
1926年 京都帝国大学農学部卒
1932年 同理学部大学院修了。
京都大学教授、岡山大学教授、岐阜大学長を歴任。
1979年 文化勲章受章。
『今西錦司全集』(全10巻、講談社)がある。

「2002年 『今西錦司フィールドノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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