神・人間・動物: 伝承を生きる世界 (講談社学術文庫 738)

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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061587380

作品紹介・あらすじ

古代人は狐や鳥の鳴き声に予兆を探り、それはまた、天上界の神が動物となって人間に幸福をもたらすという考え方とも通じた。本書は、白鳥、蛇、鹿、鵜、狐、鮭、熊などの野生動物の生態を通して、神と人間と動物の三者が織りなす親和力の世界を克明に描き出したものである。山林の伐採などにより、山野に住む生き物たちとの共存の場を失ってしまった神を畏れぬ現代人への鋭い警鐘をともなう、谷川民俗学の新しい境地を拓いた意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 鵜や猪など、日本人と交渉のあった生き物を説く。
    錬金術関係、他の神話体系では大したヒエラルキーにない白鳥が、日本の東北では「なんちゃってトーテム」ですらあるという点は面白い。

  • 神、人間、動物のつながりを民俗学の視点から読み解いたもの。
    伝承された民話などからその思想を考察すしている。
    神と動物を同一視し、それを体内に取り入れることで人間が神と一体化しようと考えていたことが考察できる。
    またそれがいつしか動物自体を神格化し、一切口にしなくなるという現象が起きた。
    読みやすい文章でこれらを紹介している。

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著者プロフィール

1921年、熊本県水俣市生まれ。東京大学文学部卒業。 「風土記日本」「日本残酷物語」、雑誌「太陽」の初代編集長を経て、文筆活動に入る。「南島文学発生論」で芸術選奨文部大臣賞・第2回南方熊楠賞受賞。「海霊・水の女」で短歌研究賞受賞。 1981年以来、日本地名研究所所長として現在に至る。文化功労者。 冨山房インターナショナルより「谷川健一全集」(全24巻)を刊行した。

「2013年 『谷川健一全集 全二十四巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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