俳句入門三十三講 (講談社学術文庫)

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感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061587557

作品紹介・あらすじ

「ホトトギス」を源流とする「雲母」に育った龍太は、父蛇笏の写実的俳句を継ぎながら、その作品は近代俳句の正嫡ともいうべく、勢いがよく魅力的で、しかも広がりと深さを持つ。本書は、「雲母」の例会の実作指導のなかから選りすぐった俳論・俳話で、いずれも文学の根源に触れるおもしろさがあり、読者は居ながらにして句会の現場に立ち会うような、しかもその語り口から著者の人柄にも触れることができる、好個の入門書といえよう。

感想・レビュー・書評

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  • 著者が、父である飯田蛇笏から継承しておこなってきた、俳句雑誌『雲母』の例会での実作指導をまとめた本です。

    タイトルには「俳句入門」とありますが、例会での批評なので、俳句についてなにも知らない読者にとっては、やや敷居が高いのではないかと思います。その一方で、参加者たちの多くの句がとりあげられていて、佳作のみならず改善の余地のある句についても著者の批評がなされているので、みずからも句作に取り組んでいるという読者にとっては参考になるのかもしれません。

    それにしても、俳論ないし俳話は、文芸批評、とりわけ小林秀雄に代表されるような印象批評の言説とややかさなるところがありながらも、他の批評のジャンルとは異なる独特の言説空間をかたちづくっているように感じます。わたくし自身は、そうした観点から本書の議論を興味深く読みましたが、もとよりそうした読みかたをする読者は多くなく、著者の俳句指導にじっさいにのぞんでいるような気持ちで読むことができる本だと思います。

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著者プロフィール

大正9年、山梨で俳人・飯田蛇笏の四男として生まれる。昭和22年、蛇笏の主宰誌「雲母」の編集に携わる。26年、山梨県立図書館に勤務。29年に退職し、「雲母」編集に専念。37年、蛇笏没後、主宰を継承、毎日新聞俳壇選者となる。51年、蛇笏賞選考委員。59年、日本芸術院会員に任命。平成4年、「雲母」終刊。19年、肺炎のため永眠。享年86。受賞歴に第六回現代俳句協会賞、第二十回読売文学賞、日本芸術院賞恩賜賞など受賞。

「2020年 『角川俳句コレクション 龍太俳句入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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