- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061587564
作品紹介・あらすじ
数多くの仏教のお経のなかで、『般若心経』ほど人々に親しまれているものはない。わずか262字のこのお経のなかに、無限の真理と哲学があふれているからである。透明な自己になりきるとき、心で読むとき、はじめて心経はその真の意味を表わしてくれるのだ。本書は、不安の時代に生き、心のよりどころを求める現代人のために、単に『般若心経』の字句の解釈に捉われることなく、そのこころを明らかにしようと試みたものである。
感想・レビュー・書評
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般若心経を学術的に、かつ、(おそらく)ご自身の信心に基づき真摯に紹介した好著。
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『般若心経』の教えを講義形式でわかりやすく解説している本です。
字句の注釈だけではなく、空海や白隠、清沢満之やスウェーデンボルクといった人びとが語った精神世界についての洞察を自由に参照しながら、著者自身の言葉で『般若心経』に示された知恵が解説されています。 -
20140426
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般若心経について書かれた本の中で、もっとも心を打つ一書であった。
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「霊性界」や「五次元」といったかなり飛んだ話もでてくるが、その分著者の熱い思いが伝わってきて何だか面白い。白隠禅師を初めとする様々な御坊の言葉が引用されているのも面白い。内容も割合平易で読みやすい。
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霊性界とか五次元とかスウェーデンボルグとかちょっと危うい感じのを持ってきて説明してる。
般若心経の成立には小乗仏教の乗り越えという思想が大きく影響している。そのため原始仏教の四諦や十二支縁起説などが空ぜられている。そこには一切の分別、執着を断絶し、空にしようという意思がある。観自在菩薩。
般若ー智慧
波羅蜜多ー到彼岸(度)ー六波羅蜜(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)
心こそ心まどわす心なれ
心にこころゆるすな
仮諦・空諦・中諦
空の飛去するとき、鳥も飛去するなり。
鳥の飛去するとき、空も飛去するなり。
道元
陀羅尼としての呪力の機能。最後の『羯諦羯諦』のくだりは、知性によって説明ができない。空海は真言の一字に千理を含むと表現している。
羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶。般若心経 -
中学一年の時に、般若心経に出会うきっかけを作ってしまった本。
「とらわれないこころ。かたよらないこころ。こだわらないこころ。
ひろくひろく、もっとひろく。
それが般若心経、空のこころなり。」 -
地獄太夫の辞世の歌に尽きる。151ページ。
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写経や法事で必ず唱える「般若新経」って何だろうという
素朴な疑問から読み始める。
途中、本書に登場するスェーデンボルグとの意外な出会いもあって、
思わず「シンクロ!?」などと感じ入る。
肝心の内容は仏教素人である私は、わかった!と胸を張れないけれど、
何となく「般若新経」に親近感を抱いたことは確か。
結局、「般若新経」を唱えながら、
かつ自分が諸々を乗り越えていくしかないんだな~ってことも
よくわかった。
安直な救いはないよね。 -
般若心経を一文字づつ丁寧に解説してある。
結局のところ、『無』になることによって菩薩が降りてくる。しかし、菩薩は外にいるのでなく自分の中にいる。『空是即色』つまり『何も無いがすなわちこれはある』というかなりの難解さである。凡人である自分には『神との対話』的なものなんぞできっこないが、鎌田氏曰く『般若心経』を読むだけでも何か違うらしい。何せ超越的な次元のことであるが、面白かった。