秘術としての文法 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061588141

作品紹介・あらすじ

比喩をもって言えば、新言語学は化学であり伝統文法は薬学である。化学者は病人をなおせないが、薬学者は病人をなおす薬を提供する。伝統文法は読解力を飛躍的に向上させ、新しい知性をひらき、時空を超越した世界へわたくしたちを運んでくれる秘術的な力をもっている。また、言語は社会のありかたと係わり、習慣であると同時に規則であり、理論と習慣の折り合いをつけるという意味で、伝統文法は経験と英知の学と言うことができる。

感想・レビュー・書評

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  • 前半は、英語や言語にまつわるエッセイを収録しています。とくに、生成文法などの新言語学は、従来の規範文法の学習に比べて、非ネイティヴが外国語を学習するための役には立たないという主張が展開されています。

    後半は、著者の本来の専門である英文法史の分かりやすい解説です。個人的には、英文法史には何の興味もないのですが、著者の平明達意の文章のおかげで、おもしろく読むことができました。

  • 「世界最大の言語戦争」と「書物と出版」は、西欧近代の成立事情を宗教と言語の側面から説いて、実に参考になる。

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著者プロフィール

上智大学名誉教授。英語学、言語学専攻。1930年、山形県鶴岡市生まれ。1955年、上智大学大学院修士課程修了後、ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学へ留学。ミュンスター大学における学位論文「英文法史」で発生期の英文法に関する研究を発表。ミュンスター大学より、1958年に哲学博士号(Dr.Phil.)、1994年に名誉哲学博士号(Dr.Phil.h.c.)を授与される。文明、歴史批評の分野でも幅広い活動を行ない、ベストセラーとなった『知的生活の技術』をはじめ、『日本そして日本人』『日本史から見た日本人』『アメリカ史の真実(監修)』など多数の著作、監修がある。2017年4月、逝去。

「2022年 『60歳からの人生を楽しむ技術〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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