数学の歴史 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061588448

作品紹介・あらすじ

数学は勝れて抽象的な学問である。しかし、だからといって数学が社会や世俗の人間活動から孤立して発展してきたわけではない。また数学者が、その人間的関心の全てを二六時中数学に集中し続けているわけでもない。それが証拠に、確率論は賭博と縁が深い。という次第で、著者は、を主人公にしながらもを断念しない数学史の記述という難題に挑んだ。あふれる機知と興味深い逸話の数々。比類のない人間臭い数学史の成立。

感想・レビュー・書評

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  • #3130ー187ー424

  • 数学と数学史は別の学問分野だということを感じた。

    社会状況との関連も触れられていて、興味深い。

    大学の数学を網羅的に学んでいないと、何を言っているのか、さっぱり分からないだろう。

  • 文化や思想にも造詣が深く、軽妙なエッセイの書き手としても知られる著者が、古代から二十世紀にいたるまでの数学の歴史をたどった本です。

    本書は、数式の登場しない「数学の歴史」であり、わたくしのように数学の素養にとぼしい読者にも、肩が凝らずに読むことができます。それでいて、それぞれの時代における数学者たちがとりくんできた思想的な問題と、彼らの業績の文化史的な意義がわかりやすく解説されており、「数学」という学問の歴史的ないし社会的な側面について概要を得ることができます。

    本書の議論の妥当性については、わたくしは判断することができませんが、著者のことばの用いかたなどには、多少「戦後」という時代を感じさせるところもあり、そういった側面から著者の「数学の歴史」の特色についてどのように考えればよいのか、この分野にくわしいひとの意見が聞いてみたいところです。

  • 1988年(底本1970年)刊行。著者は京都大学教養学部教授。

     かつて、数学の先生らしからぬ教授が、今でいうコメンタリーの役割で、近畿圏ローカルの番組に出演していた。
     その飄々とした語り口から発せられる辛辣な社会批評に憧憬の念を抱いていた著者。当然、飄々とした語り口で叙述されているのかなと思っていたが、豈はからん哉、実に真面目な数学史の書である。
     薄いので短時間で見通せるのがいい。また、西欧の数学史に研究が偏り気味で、印・中東アラブの数学史研究がまだまだなのを憂慮しているような叙述は流石の見立てである。

     哲学(というより宗教かな)と、技術・科学・観察との間に位置づけられる数学が、その時代において、どちらに比重が置かれているか。それが数学の発展をも左右してきたとの視点がある。これは、批判と議論が、思考や思索を進展させるテーゼを、地で行く感じがしてくるところだ。

     ところで、現代数学はやはり難しい。用語に対する慣れと理解進展のため、再読ないし類似書読破が必要なのは確実。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/739961

  • [ 内容 ]
    数学は勝れて抽象的な学問である。
    しかし、だからといって数学が社会や世俗の人間活動から孤立して発展してきたわけではない。
    また数学者が、その人間的関心の全てを二六時中数学に集中し続けているわけでもない。
    それが証拠に、確率論は賭博と縁が深い。という次第で、著者は、〈数学〉を主人公にしながらも〈社会〉を断念しない数学史の記述という難題に挑んだ。
    あふれる機知と興味深い逸話の数々。
    比類のない人間臭い数学史の成立。

    [ 目次 ]
    なんのために、数学の歴史はあるのか
    なにゆえに、数学はギリシアに始まった、といわれるのか
    いかにして、古代世界は数学を失ったか
    なにゆえに、中世の数学史を語ることは、困難なのか
    いかにして、新しい時代の新しい数学は始められたか
    なにゆえに、啓蒙時代は科学時代ではなかったのか
    なにを、資本主義は数学にもたらしたか
    いかにして、現代数学の基本概念は用意されていたか
    なにゆえに、集合論が「革命的」であったのか
    なにゆえに、数学は「抽象化」したか
    いかに、数学は現代につきささっているか〔ほか〕

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 取り敢えず紀伊国屋書店版で読んだ。
    私は数学の素養はさっぱりあれなんだが、思想史とか学問史とかの予備知識がまあちょっとくらいあってその辺の関心から読んだ感じとしては面白かった。

  • 20120305Amazonマーケットプレイス

  • 勉強してみた。もととなる数学の知識が浅いのでなんとも評価できないが、世界史とともに語ろうというのが面白い。人物エピソードが読みやすくてよかった。

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著者プロフィール

1928年東京生まれ。数学者。東京大学数学科を卒業。京都大学教養部で教鞭を執り、民間の数学教育運動にも参画した。京都大学名誉教授。数学科関係の主な著書として『数学の歴史』(講談社学術文庫)、『微積分の意味』(日本評論社)、エッセイ・自伝に『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)『自由を生きる』(東京新聞出版局)ほか多数。2010年7月逝去。

「2021年 『悩んでなんぼの青春よ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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