雑談の夜明け (講談社学術文庫 872)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061588721

作品紹介・あらすじ

「(覆された宝石)のような朝」と詩った稀有の詩人の随筆評論の中からとっておきのものだけを選りすぐった。それは朝の微風にのって聞えてくる小鳥たちの雑談にも似て読む者の心をなごませ、はずませる。気高い詩精神・本物の西洋的教養。永遠との出会いを求めて生涯を旅した詩神の華麗なことばの散乱を心ゆくまで味わい尽す名随筆集。

感想・レビュー・書評

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  • 日本を代表する詩人西脇順三郎の随筆集。
    序盤は随筆ではなくて一つの詩作ともいうべき難解さ・抽象さがあり面喰ったが徐々に詩論的随筆に変わっていく(序盤の数章は詩集に入れてもいいような気がした)。
    ただ自分自身に古典的・漢文的教養が欠けているため、古事記や古今和歌集、漢詩などの西脇的評論を感受できたかといえば非常に厳しいものがあった。
    が、その文体は柔らかく非常に読み易くて、とっつき難さはあまりない。
    これを読むと西脇順三郎は随分とマラルメに影響を受けているのが分かる。
    やはり現代詩を語る上で外せないのだけど、漢詩にまでマラルメ的な思想を読み取っているのは興味深い。
    マラルメを再読し、マラルメ論を読み、それから西脇詩を再読するとまた印象が変わるのだろう。
    このレビューを書いている現在、講談社学術文庫版はアマゾンのマケプレにも日本の古本屋にもない状態の希少本らしいので運よく手に入れた自分は幸運だったと思う。

  • 784夜

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著者プロフィール

1894年新潟生まれ。詩人、英文学者。慶應義塾大学卒。1922年~1925年オックスフォード大学で英語,英文学を学び,帰国後、慶應義塾大学文学部教授。戦前のモダニズム・ダダイスム・シュルレアリスム運動の中心人物。また、生涯に多くの水彩画並びに油彩等の絵画作品を残した。小千谷市名誉市民。1957年にはノーベル文学賞候補に挙がる。1982年没。

「2019年 『無伴奏女声合唱のための あむばるわりあ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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