怪談・奇談 (講談社学術文庫)

著者 :
制作 : 平川 祐弘 
  • 講談社
3.65
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本棚登録 : 278
感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061589308

作品紹介・あらすじ

日本を深く愛しつづけたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)。1890年に来日以来、日本の物語や民間信仰、風習等を通して、西洋至上主義に捉われることなく日本を理解しようと務め、数多くの秀れた作品を残した。本巻は八雲の作品の中でも「耳なし芳一」「轆轤首」「雪女」等、一般に親しまれている怪談・奇談42篇を、気鋭のハーン研究者達の新訳で収録。さらに巻末にこれらの原拠30篇も翻刻した。

感想・レビュー・書評

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  • 原拠が巻末に収録されている。
    ぞっとするような怖さはないけれど、日本らしい情緒あふれる物語集になっている。

  • 昼の明るい時間帯に読むことをオススメします。

  • 20171027
    小泉八雲の怪談・奇談を集めた作品。原典となる古典を英語で著した小泉八雲の作品を、さらに気鋭の研究者たちが現代語訳したものである。
    古来から日本に伝わる幽霊の話が中心となる。仏教思想の影響が強く、輪廻する魂が幽霊となり、昔から人々を怖がらせた。また、神道の影響もあると思われ、八百万の物に魂が宿っていると怪談は教えてくれる。
    小泉八雲の「恐怖」に対する考え方も面白い。一元論的な考え方の持ち主で、恐怖の対象となる事象に対して、各々が持つ経験や感覚のフィルターをかける事で恐怖が生まれるのだと言う。超常現象も実際にあるものでは無いが、人がそれを増幅するから、その事象はあるのだ。信じる人たちを無下に軽蔑する必要はない。

    松江にて遭遇した小泉八雲
    日本人よりも日本を見つめた外国人はどう怪談を作り上げたか。
    松江ビアへるんを契機に、ラフカディオハーンを知りたい。

  • 物理や時の流れを優に超えてくる念の強さに驚くばかり。小泉八雲が原典から手を入れてるとは知らなかった。私は元々、仏像や地獄を中心に仏教世界に興味を持っているけど、今回の怪談への関心をきっかけに、根底に共通しているのは「異界への好奇心」なんだと気付いた。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/TW00058374

  • carib song,田辺剛「サウダージ」つながりで。題材にとられたのは「お貞の話」。その他に、「夢応の鯉魚」「果心居士の話」も読む。お貞の話は、ヨーロッパに舞台を移しつつも、忠実に漫画化したのだなあと思った。夢応の鯉魚は、荘子の胡蝶の夢の味わいといったところか。果心居士については、幻術に彩られた奇譚の味わい。

  • 妖怪系の先駆けらしい。げげげのきたろうが好きな人はどうぞ

  • 京都女子大学図書館での請求番号は、「081/Ko196/930」です。

    ★2013年度8月テーマ「暑さも吹っ飛ぶ…?“怪談”特集」★

    「耳なし芳一」などのおなじみの怪談が短編としてのっています。
    いろいろな話がつまっていて、とても読みやすいです!

  • 日本の昔の説話を再話した物語が収録されており、
    さらにこの本では、原拠となった話との相違の解説、
    三十篇の原拠と推定される原話本文が掲載されている。

    小林正樹監督の映画『怪談』は、
    この原作にぴったり沿っているのがわかった。

    どれも物語として大変面白かった。
    「策略」という話は機転が利いていて心に残った。

    具体的な歴史上の人物が登場する話もある。
    「青柳の話」では、細川政元が、「菊花の約」では尼子経久が、
    「果心居士の話」では織田信長や明智光秀が登場する。
    「伊藤則資の話」では、過去の人物としてであるが、平重衡に言及がある。

    「菊花の約」はなんとなく衆道を感じさせる。

    「薄明の認識」では、怪異と思えた床のきしみを、
    気温の変化によるものだと考えた小泉八雲さんに共感する。

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著者プロフィール

1850-1904年。ギリシア生まれの英国人。作家、英文学者。旧名ラフカディオ・ハーン。1890年来日。松江で小泉節子と結婚、後に帰化。東大等で教鞭をとりつつ日本を海外に紹介。著書に『怪談』『心』他。

「2016年 『心 個人完訳 小泉八雲コレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小泉八雲の作品

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