孔子 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061589353

作品紹介・あらすじ

長いあいだ聖人として崇められ、それ故にまた旧時代の権威として批判の対象ともされてきた孔子。歴史の粉飾を払い、聖人ではなく血の通って孔子の人間像を鮮明にするため、著者は『論語』の再編を試み、また「孔子観の変遷」という独自の観点から、彼の思想の展開を追究する。新しい「人としての生きかた」を提唱し、それを自ら学びつつ実践する努力を続けた人間孔子の魅力を描いた最良の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 孔子

  • 金谷治さんの『孔子』を読了。岩波文庫版『論語』を読んで、物足りなさを感じた方は、岩波文庫版『論語』のあとに、本書を読むと物足りなさを解消できると思います。金谷治さんの文章を堪能できる本になっています。

  • 孔子という人物の実像に迫る事を目的とした本。

    バラバラに描かれている論語の内容を時系列順、
    テーマごとに整理し直し、解説を加えた物が主な内容。
    そこにその後の人物の孔子への評価を加えて、
    様々な立場から孔子という人物に迫っている。
    儒教思想の発展に関してはあまり書かれていないので、
    孔子より儒教を知りたい人は他の本を読んだ方が良いかも。

  • 中国人の考え方を知るためにはまず古代思想から。その1。
    この1冊で『論語』から儒家思想の解説からその後の歴史まで載ってるなんて、なんてお得!
    …高いけど!文庫で1,250円て。(手持ち本価格。)
    内容的には本当充実してて大満足ですが、『論語』については抄だしやっぱり白文が欲しい。
    ので別にちゃんと読まないとー。
    てゆうか儒家思想を1冊で済ませようッてのがムボー。
    それでもかなりの無理をきいてくれた感じの1冊。

    感想。
    読みながら書いたメモに「甘い!甘いよ!」ッて書いてあって、後で見直して笑った。
    なんとゆうかこう、人の善良さに頼り過ぎてるように見えて、これで本当に国をまとめることができるのか?と。
    とも思ったのですが、よく考えればあくまでも理想形であって、実際の施政はまた別だったんだろうなあということで納得してみた。
    とりあえず、孔子の人となりとしては物凄く人間的魅力にあふれた人だったんだろうなあ、と。カリスマというか。

    もともとの狙いとしては、「中国人の考え方、行動基準がどこから来てるのか知りたい」ということだったのですが。
    読み終わって。
    …うーん、とりあえず、古代思想と現代人の考え方につながりはない、のか?
    と、語学学校の中国人の先生に訴えてみたところ。
    「そんなコトないよ!『和を以て貴しと為す』とか『中庸の道』とか『己の欲せざるとこと人に施すこと勿れ』とか、今でも生きた考え方です!」とのこと。
    …解せぬ。どこで発揮されてるんだ?その精神。
    まだまだ、分からないことがいっぱいです。

  • 何が自分が行き詰まっている時にいつも手に取ってしまう一冊。最初に読んだのは学生の時分でしたが…。初読時よりも、社会人になってからの方が胸に響きます。
    昔は論語なんて説教くさい本だと思っていたのですが。
    この本は論語本文と訳・解説が併せて載っているので、比較的取っつきやすいのではないかと思います。
    岩波論語だけだとちょっときついかな…。と思うので。

    まあ、あくまでも嗜好の問題なので★4つ。

  • 大学の講義で「論語」を読んだが、本書はそれを体系的に整理し、網羅している。

    孔子と弟子との関係、弟子同士の関係などにも触れているし、孔子の考えがその後の中国や日本でどのように広まっていったか、後世の代表的な人物がどのような孔子像を形成したかなどについて書かれている。

    「論語」に関しては岩波文庫、中公文庫などから出ているが、それよりも前にこちらを読んでおけば、『論語』の真髄がより深く理解できるかもしれない。

  • 「君主に三変あり」

    パッと見るとオーラがあって近寄りがたい。
    でも話してみるととてもやさしく親しみをもてる。
    しかし、話を聞くと言葉に重みがあり、人を惹きつける力がある。
    これこそが君主である。

    2500年前、時代の転換期であった春秋時代に武力ではなく言葉で平民を統率した孔子の言葉である。

    私もこんな風になりたい。

  •  孔子および儒教についてはこれ一冊読めばかなり深く理解できると思います。孔子の思想や時代,儒教の発展について解説し,また論語を主題別にまとめ直して平易な解説が加えてある。論語の原典訳を一冊買って読むよりこの本を読んだ方が理解度ははるかに高いはず。
    (2006年10月)

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著者プロフィール

1920年、三重県生まれ。東北帝国大学法文学部支那哲学科卒業。文学博士。東北大学名誉教授、追手門学院大学名誉教授、日本学士院会員。2003年、勲二等瑞宝章受章。著書に、『秦漢思想史研究』(平楽寺書店)、『管子の研究』(岩波書店)、『淮南子の思想』(講談社学術文庫)などがあるほか、訳書に、『論語』『荀子』『荘子』『韓非子』『孫子』『大学・中庸』(いずれも岩波文庫)など多数。2006年、逝去。

「2022年 『死と運命 中国古代の思索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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