ハックルベリー・フィンは、いま: アメリカ文化の夢 (講談社学術文庫 960)
- 講談社 (1991年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061589605
作品紹介・あらすじ
ヘミングウェイはいう。「アメリカ現代文学はすべてマーク・トウェインの『ハックルベリー・フィン』という一冊の本から出発している。」最もデモクラティックな人間の化身ハック・フィンは、自由と夢を求めては徹底的な試練にあう。しだいに「愛と理解」が困難となって来た今日のアメリカ。現代のハックはそのつど夢を抱き直し、新しい生の実験を重ねている。ハックを通して、アメリカ文化の本質を語る好著。
感想・レビュー・書評
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アメリカ文学の研究者であり比較文化論にかんする著書も刊行している著者が、1979年から85年にかけて執筆した、現代のアメリカをテーマとするエッセイを収録している本です。
とりあげられている話題には、カルト教団の集団自殺事件やアメリカ人の日本観、性の解放とフェミニズム、マリリン・モンローやアメリカのヒーローについての考察など多岐にわたっています。
マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』については、『ハックルベリー・フィンのアメリカ―「自由」はどこにあるか』(中公新書)、マリリン・モンローについては『マリリン・モンロー』(岩波新書)などの著書も刊行されており、文化論的な視点からの考察が展開されています。本書の議論はそれらの著作よりもさらに軽く読めるエッセイとなっていますが、現代のアメリカの闇の部分にも目を向けており、興味深く読めました。ただ、とりあげられている話題にも、著者のアメリカ文化の見方にも、すこし古さを感じさせるところがあるように感じたのも事実です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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1970年代から80年代にかけての、米国における世相や文化、映画や文学を通してアメリカ人の心理を推察。文明批評から紀行文まで』アメリカに対するオマージュが漂う。