ロシアとソ連邦 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (1991年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (470ページ) / ISBN・EAN: 9784061589759

感想・レビュー・書評

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  • 最初は「そもそもロシアは欧州なのか?それとも欧州とは違うのか?」という問題から始まる。これはさまざまな形で今も流れているのだそうだ。たしかにロシアはカトリックではなくギリシア正教であり、正教会は国家に服属している。これは今もなおロシアの「全体主義的空気」を醸成しているとする。

    この「ロシアは欧州なのか?それともロシアはロシアたるべきなのか?」は、ナロードニキ主義とマルクス主義、マルクス主義の内部でのボルシェビキとメンシェビキ、またボルシェビキ内部のスターリン派とトロツキー派、またのちのソ連国内での改革派と保守派・・というように尾を引いてるとする。ウクライナでもEU派と反EU派で揉めているし、ロシアのアイデンティティーは難しい。

    それ以外でも、ロシア史を俯瞰する上では、いい本と思われる。

  • ロシア建国の伝説から、正教伝来、モンゴル来襲、ロシア帝国の発展、ロシア革命、第二次世界大戦、冷戦、ペレストロイカまでのロシア・ソ連邦の歴史。やや古い91年発行なのでゴルバチョフ・エリツィンまでで、プーチン・メドベージェフといった最近の動きまでは網羅できていませんが、1冊でロシアの歴史をザックリと掴む事ができます。
    正教の採用やモンゴルによる蹂躙、農奴制など、西欧に比較し後進性が目立つのと、特に近代に入ってからは飢饉や、ロシア革命、スターリンによる粛清、第二次世界大戦で何百万人単位での犠牲者を出すなど、かなり厳しい出来事多し。

  • ロシア・ソ連の通史本を探したのだが、絶版になっているものが多い。本書も絶版だったので古本をゲット。ロシア成立からソ連の崩壊まで詳しく書かれている良書。

    この本を読んで、どうしてドストエフスキーの主人公があんなにおしゃべりなのかよくわかった。検閲があったため、政治の話は物語にひそめるしかなかったためだという。確かにロシアの小説を読むと「これはなんちゃら事件がもとになってる」ということが多い。数ページにわたるあの独り言も、登場人物を介した著者の政治的意見の表明だと思えば納得だ。

    この例からもわかるように、ロシアという国は民衆が自由に意見を言うことができる時代が非常に少なかったという。権力者の失敗に対しても物を言う文化が発達していなかったのだろう(粛清されちゃうし)。権力者が机上の空論で独りよがりに国の政策を動かしていることが悲劇を招いたのだと思った。

    格差のない国を作ろうと立ち上がる人が、次から次へと私利私欲に走るパラドックス。私には今も尚、一部の権力者が皇帝のようにふるまって一般市民の自由と権利を奪っているように思えてならない。

  •  
    ── 外川 継男《ロシアとソ連邦 19910610 講談社学術文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/406158975X
     
     Togawa, Tsuguo ロシア史 1934‥‥ Tokyo /東京大学文学部卒
    /北海道大学スラブ研究センターを経て、上智大学外国語学部教授
    /1983-1984 ワルシャワ大学客員教授として、同大学日本語学科で日本
    語と日本事情を教える。
    https://www.asahi-net.or.jp/~tr4k-urkw/tsuguo/tsuguo.htm
     
     酒本主義 ~ 酒なしに生きることができない国々 ~
     
    …… ロシアの前身であるキエフ・ルーシの大公は10世紀末、さまざ
    まな宗教の中からギリシャ正教を受け入れて国教に定めたのだが、この
    さい、イスラム教の受容を勧めた者から、この宗教では飲酒を禁じてい
    るという話を聞いた大公は、「ルーシの民の楽しみは飲むことである。
    これなしには生きることができぬ」といって断ったという。(P56要旨)
     
    …… 英国政府は今年、年間最大120億ポンド(約1兆7800億円)
    に上る財政負担となっている国民の過剰飲酒に歯止めを掛けるため、規
    制を強化する。
     パブなどでは「10ポンド(約1500円)で飲み放題」、「女性無
    料の日」といった設定のほか、早飲み競争、周りの人が口に酒を流し込
    む「歯医者のいす」と呼ばれるゲームが4月から禁止される。さらに1
    0月からは身分証明書の確認の義務化なども実施される。
     違反した経営者はライセンス取り上げや2万ポンド以下の罰金や禁固
    6カ月が科される可能性があるという。[ロンドン 19日 ロイター]
     
    http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-13426620100120
     巻末索引に“ウクライナ”は、わずか三か所しかない(20220524)。
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20220304
     ウッ、昏いな! ~ Darkness of Ukraine and Russia ~
     
    (20100121)(20220526)
     
     

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著者プロフィール

1934年、東京生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒。北海道大学スラブ研究センター教授などを経て、上智大学外国語学部教授。著書に『ロシアとソ連邦』、訳書に『さまざまな生の断片』など。

「2014年 『ロシア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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