数学的思考 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 222
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061589797

作品紹介・あらすじ

「数学ができる子は頭がいい」のか。それとも「数学などやるやつは頭が少しおかしい」のか。世の中に行き交う七つの「数学迷信」の由来をたずねて、著者は古代ギリシャから現代数学への道筋を辿る。人はなぜ、この抽象的・観念的な思考法を必要としてきたのか。現代の科学・技術文明を生むにいたった数学的思考の本来の在り方を問い直し、歪みの多い数学教育問題の急所に、犀利な切っ先を突きつける。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/739993

  • 「数学」というと受験勉強でたいそう苦しめられたもの、「数学者」というと訳のわからないことを考えている人という認識の人間は少なくないように思われる。本書は、数学者の立場から、そのような認識がなぜ生ずるのかを、数学の歴史をさかのぼりつつ考察している。

    オススメ度:
    ★★★☆☆

    ぽんず(海洋環境科学科)

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    所蔵情報
    品川図書館 410.1/Mo45

  • 著者の数学にかんするエッセイをまとめた本で、数学の社会的側面についての考察や、数学教育についての提言などがおこなわれています。

    著者は、小数の概念と対数の概念が歴史的にはほとんど同時期に登場したことに触れて、数学という学問の歴史における発展と、個人の数学的な認知の過程が異なることを認めています。そのうえで、数学においてあつかわれる「重さ」や「速度」といった概念がどのようにして獲得されていくのかということを、個人と社会の両方面から論じていきます。

    数学史も数学教育も、それぞれに学問的な蓄積がなされている分野なのですが、数学者の立場からそれらの両方の分野を自在に行き来して、数学における諸概念や数学的な思考法の内側を、豊かなイメージを呼び起こすような文章で生き生きとえがいているのが印象的でした。

  • 森毅さんがまだ三十代の時に著した数学教育論。水道方式を支持する件など、後年と比べて緊張感のある文章が続いているが、どころどころに皮肉やユーモアが既にみられる。

  • 12/6/20

    津田沼丸善で見つける

  • 924円購入2010-07-08

  • 現代教育の数学について。C0141

  •  数学の世界は、実際の世界と寄り添ってともに成長してきたのだなと感じた。数学教育の遺骸の話では、今まで習ったことを思い返してみるとまあまあ心当たりがあった。
     この本の文庫が91年に発行されていて、もとの本がその四半世紀前に書かれているため、書かれている内容も私からしてみればかなり昔のものだと思うが、話を新鮮に感じられ、その通りだなと思った。それだけ、数学教育も悪い意味で根本的には変わっていないということだと思う。
     内容は難しかった。半分も理解できていればいいほうだと思う。もう少し成長したら、また読みたい。

  • 20120514Amazonマーケットプレイス

  • ケッタイな本でっせ。数学いうか哲学的な本ですわ。ジコケーハツいうやつかもしれませんわ。

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著者プロフィール

1928年東京生まれ。数学者。東京大学数学科を卒業。京都大学教養部で教鞭を執り、民間の数学教育運動にも参画した。京都大学名誉教授。数学科関係の主な著書として『数学の歴史』(講談社学術文庫)、『微積分の意味』(日本評論社)、エッセイ・自伝に『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)『自由を生きる』(東京新聞出版局)ほか多数。2010年7月逝去。

「2021年 『悩んでなんぼの青春よ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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