知的生活 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061589858

作品紹介・あらすじ

「知的生活」とは、生き生きとものを考える喜びにあふれた人生のこと。知識だけに偏らない全人間的な徳の獲得を奨める人生哲学の名著として欧米に名高い本書は、ライフ・スタイルとしての「知的生活」を愛する全ての人に、有用な心構えを教えてくれる。時間の使い方・金銭への対し方から読書法・交際術まで、そこにはいささかの空疎な議論もなく、切実な実体験から生まれた「人生の極意」にみちている。

感想・レビュー・書評

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  • 読書好きな人はついつい運動をせずに、読書をしてしまう。健康でなければ知的生活は成り立たない。意識して運動を取り入れる必要がある。

  • 「知性」と共に人生を生きる、
    「知」を愛する者にとって極めて貴重な価値ある濃厚な知的生活の在り方が著されている古典的名著。
    ハマトンの深い教養とその愛が自然と沁みてくる。

  • "知的生活の定義はぼんやりしているが、知的に生活を送る人に向けた環境を指南している。
    肉体状態、精神状態、時間、金銭、場所、など多岐にわたり、著者なりの考察がされている。
    あとがきを見ると1873年に出版された本であり、一部現代の考え方とは異なる考え方(偏見)が見受けられる。時代背景を想像しながら読み進めればよい。"

  • 大きく美しい果実が欲しいなら、躊躇なく剪定しろ。

    戦争により鍛えろ。

    知識のみなら容易だ。

    場数をふみ逞しくなれ。

  • 人を知的にするのは身に付けた学識ではなく、活き活きと、美しくものを考えることに喜びを感ずる一種の徳であります。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/739997

    時間の使い方・金銭への対し方から読書法・交際術などの極意が語られる、人生哲学の名著。

  • 教養大全

    知識の獲得∶興味関心、目的∶僅かな知識が全体的な精神構造に影響する、知りたいと思ったことを大事にする。自分に関係するものに興味を持たなかったりするがそれはよくない。今の自分との関係性や目的を忘れてはいけない。ふさわしいものか?

    時間術∶節約するために、切り詰めるためではない、浪費しないために∶完全にマスターするつもりで中途半端にしない。全力でやってだめなら撤退する
    リスクを考慮する、計画、何をやらないか(無意味な他動は浪費)

    読書術∶本当に必要な情報を絶対に見落とさない
    精神的豊かさを得られる

  • 何かをやるなら確実に、時間を決めて何事も徹底的にその時間内に邪魔が入らない環境を作るり、実施する。それ以上、それ以下でもない。
    また、今から獲得する知識は何に役に立つのか?必要のないものまで知識にとして持つ事は、脳内のバランスを崩す事になる危険を孕む。

    何をやらないかを、決める事は非常に重要な事であり、
    やり過ぎる事を示唆している。

    常に限られた時間を意識する事。

  • 知的生活 10/23 14:00-

    - 第2章 知的生活における精神的基盤は、訓練にあるように思われます。しかし、訓練と言ってもそれは一種独特なのであって、人によって違います。「私は次から次に着手したどの事業についてもあらかじめ十分な準備をしておいた。だから、それらを実行に移す時になっても、そう言った訓練をしておいたおかげで着実に成功を収めることができた』
    - 様々な知識を得るのは良いが自分自身の核について間違えないようにするべきだ。ロックの文章法を真似てじぶんの小説の良さを失った詩人が良い例。
    - つのを探しに行って耳をなくしたラクダがいる。ヘブライのことわざに出てくる。このように必要のない知識を得ることは厭うべきである。
    - 第4章:時間について
    - 時間は節約されなければならない。
    - 不完全な習得に費やされた時間は無駄である。
    - 目標を設定し限定するべきである。
    - もし人生で後悔したことがあるなら、それは時間を合理的に使えなかったことだというが、それは無理だろう。
    - 休むときは完全に休む。自然と共に暮らすような。

  • 英国のP.G.ハマトンが1873年に発表した、自己啓発・上達論の古典的名著。
    訳者でもある渡部昇一氏が、講談社現代新書のベストセラー『知的生活の方法』(1976年発刊)を著すきっかけとなった作品としても有名。
    著者は、まえがきで、「人を知的にするのは身に付けた学識ではなく、活き活きと、美しくものを考えることに喜びを感ずる一種の徳であります。・・・知的に生きるということは、なにかを成し遂げることであるよりは、むしろ、最も高邁でかつ純粋な真理を熱烈に求めることなのです」と述べ、様々な人への書簡という形式をとって、知的生活を送るための時間術、健康法、読書の仕方、人間関係術、金銭の使い方など多岐に渡って書き綴っている。
    「カントは、規則正しさの中に静かな幸福を見い出したのですが、実際、幸福とはなによりも習慣の中に見出されるものであるといわれています」
    「一つだけ大好きな研究対象があって、それを日々楽しく、入念に愛情をもって隅々まで研究する。そう、ちょうど小さな土地を持った百姓が自分の土地を耕すように。このような生活こそ、・・・最も羨むべき知的生活です」
    「人生は短く、時は矢のごとく過ぎ去り、今という時を上手に利用しなければならないことぐらい誰にだってわかります。・・・何をやるかということよりも、何をせずにおくかということのほうが、はるかに重要であることが多い」
    「読書の技術は、要所をおさえながら、不要な箇所を飛ばし読みすることです」
    「『あわれなるかな孤独なる者よ』とはよく口にされる言葉ですが、しかし、学問好きな隠匿者は『あわれなるかな孤独を知らぬ者よ。孤独に耐えられぬ者よ』と言い返すかもしれません・・・孤独でいる時にのみ、われわれは、本当の自分を、そして自分が心から欲しているものを知るのです」
    「世の中にある者は、己が時代を生きる。孤独にある者は、あらゆる時代を生きる」
    「『すでに君が身につけている技術を充分発揮するように努力しなさい。そうしているうちに他のわからないこともわかってくるよ』。霊感は修練を積んでいる者のみにひらめくのです」
    「かつて元気いっぱいの若いころ、私には紺碧の夜空に輝く星々が、『急がず、休まず』という金色に輝く光の文字のように見えました。しかし、今では私は、地上に建てられた平板な小さな石に刻まれた『休め、そして感謝せよ!』という文句のほうが身に沁みます」等
    著者は、多くの行動・考え・言葉を、カント、ゲーテ、レンブラント、ナポレオン、モンテーニュ、オーギュスト・コントらの過去の偉人の例を引きつつ語っている。
    Intellectual Lifeの楽しさ・喜びを教えてくれる。

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著者プロフィール

上智大学名誉教授。英語学、言語学専攻。1930年、山形県鶴岡市生まれ。1955年、上智大学大学院修士課程修了後、ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学へ留学。ミュンスター大学における学位論文「英文法史」で発生期の英文法に関する研究を発表。ミュンスター大学より、1958年に哲学博士号(Dr.Phil.)、1994年に名誉哲学博士号(Dr.Phil.h.c.)を授与される。文明、歴史批評の分野でも幅広い活動を行ない、ベストセラーとなった『知的生活の技術』をはじめ、『日本そして日本人』『日本史から見た日本人』『アメリカ史の真実(監修)』など多数の著作、監修がある。2017年4月、逝去。

「2022年 『60歳からの人生を楽しむ技術〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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