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- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061589865
作品紹介・あらすじ
噴出する世界の民族問題をどう考えるべきか。東西冷戦後の世界は二十一世紀へむけ国家体制を乗りこえ民族のせめぎあいが強まる。民族・人種・国家の概念さえ判然としないわれわれ日本人は,それらの理解なしには世界に貢献できない。ますます強まる民族の自己主張の本質はなにか。本書は卓越した見識をもつ著者が豊富なフィールドワークから世界を見る目=民族学的視点を開示する刮目の書である。
感想・レビュー・書評
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用事で奈良にでかけたとき古本屋でみつけた。この本をよむまえとよんだあとでは自分自身がおおきくかわったと感じる。1985年ころにおこなわれた講演会を中心にまとめられている。けれども、9.11をおもわせる記述がいたるところに散見される。国民と民族と人種とは政治と文化・言語と遺伝子に対応するということが何度もかたられている。世界をみわたせばひとつの国のなかに複数の民族がすんでいるのは当然のことであるけれど、日本人にはまったく想像がおよばない。アメリカは民族のるつぼといわれるが、結局は民族のサラダボウルでしかない。二十一世紀になれば民族問題は解決されるのか。梅棹先生は、もっと問題はおおきくなるだろうとかんがえていた。それぞれの民族は教育もすすみ、それぞれが自己主張をしだす。けっしてあいいれることはない。我々はその問題解決方法をまだみいだしていない、という。そのころから30年ちかくがすぎた。はたして現在はどういう状況なのか。わたしの知識不足はもちろんあるが、民族問題が解決の方向にむかっているとはとてもおもえない。このネット社会でなにかがかわるのだろうか。
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著者プロフィール
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