- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061590144
作品紹介・あらすじ
漢の武帝の頃、淮南の地を治めた淮南王のもとには大勢の学士食客が集まり、数多くの著作を残した。2000年後の今日に伝わる『淮南子』がそれである。その内容は複雑多様、諸子百家から戦国的自由思想の伝統、また、処世や政治、天文や神話伝説まで集合されている。全体の基調は老荘的なものに貫かれその百科全書的な性格が人々をひきつけてきた。混迷の世を生きる現代人に贈る必読の人世哲学の書。
感想・レビュー・書評
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淮南王劉安の食客楽天が編纂した雑家の書物
老子と荘子を統合し老荘という概念を生み出した詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
雑家の書物といわれる『淮南子』についての解説.
第一部は,この書物が作られた背景として,淮南王劉安の伝記や,当時の時代について,説明がなされています.
第二部で,具体的に『淮南子』の内容を解説していますが,二十一編それぞれを順に解説するわけではなく,要点をかいつまみつつ並行的に説明を進めています.要略編を主軸にしつつも二十一編の内容の説明は並行的であるので,「それぞれの編が何について書かれているのか」は把握しづらかったです.
第二部を理解する上で,第一部の内容が大変助けになりました.
“老荘”という言葉の初出がこの『淮南子』であろうこと,
そして,
『老子』の“道”は“万物を生み出す根源”であるのに対して,『荘子』の“道”は”雑多な存在を一貫する根本の理法”であり,両者の”道”には違いがある,
という著者の記述が,とても興味を引きました.
儒家・法家・墨家などの思想を『老子』と『荘子』の思想でもって統一していくという『淮南子』の思想そのものが深遠で,深遠だからこそとらえどころが無く,うまく全体像を捉えがたいからこそ,雑然に感じてしまうのでしょうか….『淮南子』の内容は大変難しそうだと感じてしまいましたが,講談社学術文庫『訳注「淮南子」』も読んでみようと思います. -
複雑な雑家の思想書の解説。
第一部が淮南王劉安の生涯
第二部が淮南子の内容解説
という構成になっている。
ただでさえ難しいのに、
書き下し文しか無いので、
内容はまったく分からないが、
老子と荘子を結びつけたのは
この本が始まりらしい。
金谷先生の説明を信じるしか無い。 -
日本書紀冒頭の雛形とされる部分が知りたかったので購入。
副題に「老荘的世界」とあって、『淮南子』は雑家の書ではあるが、『荘子』『老子』に著される道家思想の統一を図った書という一面があると筆者は考えている。
著者プロフィール
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