精神としての身体 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061590199

作品紹介・あらすじ

近代の哲学は、身体の問題を奇妙に無視してきた。しかし、人間の現実存在は、身体をはなれてはありえない。身体であるということが、人間が単に考えうる可能的存在ではなく、現実的存在であるゆえんをなしているからである。本書では、こうした観点から、身体をポジティブなものとしてとらえ、人間的現実を、心身合一においてはたらく具体的身体の基底から、一貫して理解することをめざしている。

感想・レビュー・書評

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  • 「身体の現象学」に続く――
    メルロ・ポンティの「知覚の現象学」や「眼と精神」 とともに教科書的存在として蒙を啓いてもらった。

  • [ 内容 ]
    近代の哲学は、身体の問題を奇妙に無視してきた。
    しかし、人間の現実存在は、身体をはなれてはありえない。
    身体であるということが、人間が単に考えうる可能的存在ではなく、現実的存在であるゆえんをなしているからである。
    本書では、こうした観点から、身体をポジティブなものとしてとらえ、人間的現実を、心身合一においてはたらく具体的身体の基底から、一貫して理解することをめざしている。

    [ 目次 ]
    身体の現象学
    第1章 現象としての身体(主体としての身体;客体としての身体;私にとっての私の対他身体;他者の身体;錯綜体としての身体)
    第2章 構造としての身体(はたらきとしての構造;向性的構造;志向的構造;身体の私性;自己と他者;構造の生成;精神としての身体)
    第3章 行動の構造(行動と生活世界;癒着的形態の行動;可能的生への展開;可動的形態の行動;シンボル的形態の行動)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • この人の本は2冊目。しかし期待したほど面白くはなかった。
    著者独特の、精神と身体の両面を含んだ<身>という概念がやはり出てくるが、あまり突っ込まれていない。ポール・ヴァレリーの語った<錯綜体>という、多層的な意味の<身体>を統合した概念が、この本では中核にあるようなのだが、どうもこの概念がはっきり掴めないため、最後まで読んでも漠然とした感じにつきまとわれた。
    おしまいの方には身体に関する(当時の)最新の自然科学的な知見が生かされており、よく調べているなあ、という印象だった。<身体論>を書くなら当然なのかもしれないが。
    ただ、例の「ミラーニューロン」という言葉が出てこない。ミラーニューロンの学説を用いれば簡単に説明できることをずいぶん遠回りして自信なさげにしている箇所があり、当時著者はまだミラーニューロンについて知らなかったのだろう。あるいは発見される直前の時点だったかもしれない。

  • 盲目の人にとっての杖は、蟻にとっての触覚であろう。
    肌を触れ合わずとも、自分の領域に人が入ると感ずる不快。
    いったいどこまでが私の身体なのか?
    太陽の直径はこの掌まで届いている。
    物理的境界に捕われず、身体の感覚を拡大していく。

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著者プロフィール

市川 浩(イチカワ ヒロシ):1957年京都市生まれ。専門は科学技術史。現在、広島大学総合科学部教授。博士(商学)。大阪外国語大学ロシア語学科卒業、大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程修了。著書『冷戦と科学技術――旧ソ連邦 1945~1955年』(ミネルヴァ書房)、『核時代の科学と社会――初期原爆開発をめぐるヒストリオグラフィー』(丸善出版)、Soviet Science and Engineering in the Shadow of the Cold War(Routledge, 2019)、編著『科学の参謀本部――ロシア/ソ連邦科学アカデミーに関する国際共同研究』(北海道大学出版会)など。

「2022年 『ソ連核開発全史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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