ドイツの都市と生活文化 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
3.52
  • (2)
  • (13)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 102
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061590649

作品紹介・あらすじ

ドイツは森の国である。その森に守られて、各地にたくさんの都市がある。ドイツの都市は、それがどんなに小さくても個性があり、独特の顔がある。それでいてドイツの都市は、構造上も精神的にも、善遍的な共通性を有している。そしてそこに住む人びとは、独自のドイツ的生活文化を作りあげている。ドイツ的生活文化とは一体どんなものか。具体的な日日の生活の中でそれを探る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ドイツ文学者によるドイツ(語圏)文化論。前半は文化大使他としてドイツに住まわれた経験も踏まえた、ドイツ語圏の人・社会の特色を日本の姿も比較しながら紹介。後半は筆者の思い出やベートーヴェンやゲーテといった著名な文化人への想いがほとばしる文章を経て、簡単な日本における"生活文化"についての論考で締めくくる。

    内容は一方的なドイツ上げでなく、指摘するべきところはきちんするという感じ。後半に行くほど饒舌になっていくのは筆者のドイツ文化愛ゆえか(笑)そのあたりは若干脱線気味で、前半の流れで掘り下げていくのかと思いながら読み進めると、ちょっとあれ?となったりもするけれど、楽しく読める。

    それにしても日本人の在り方に対しての指摘は、30年一世代経っても変わらないなというのが実感。そう簡単に変わらないから国民性なんだろうが。

  • 新聞の訃報欄に載った名前に見覚えがあったので、本棚を探してみたら、この本が見つかった。これ以外の著作は読んだことがないのに、著者の名前が記憶に残っていたのは不思議。発行日から判断すると、昔ドイツに行く前に人に勧められて読んだものだろう。読み返してみると、根拠が怪しげな話もある。ドイツ人は肉からビタミンを摂れるので野菜はあまり食べなくても大丈夫って、本当かいな。ドイツ人は食器を洗剤で洗った後、水ですすがないというのは、確かにそのとおりだったのでびっくりした。1993年3月10日第1刷発行、1996年5月20日第8刷発行。定価940円(本体913円)。

  • 高校生

  • ドイツ贔屓の本、一言で言って。
    どうもドイツに思い入れのあるお方のドイツ紹介本は、ちょっとひいてしまう代物が多いのでは?が正直なところ。
    当方、日本という国にあまり思い入れのない非国民でございますが、それにしても何でこんなトーンになっちゃうんですかね?ドイツ好きのお方の本は。
    で、もう一つ言えば、日本社会に比して素晴らしいというドイツがほんの少し前に何であんな事態に陥ったのか、そこにはあんまり触れてこないんで、余計に読んでて賛同できかねるかと。それと同じ時代の日本の立ち振る舞いは、当方、何となく肌で分かるだけに、猶更にフラストレーションが溜まります。

  • ドイツ人の生活文化、様々なTipsが書かれている。一部作者の決めつけのようなところがあるのがいなめないが、ドイツを勉強している自分にとっては読む価値のある一冊となった。

  • 10月7日読了。強力な中央集権国家であるフランスなどとは違い、森に囲まれた都市による地方分権が今も残る「大いなる田舎」であるドイツ。ともに第二次世界大戦での敗戦国・質実剛健で規律を重んじるという点で日本人はドイツに親近感・ロマンを抱きがちだが、ドイツ人が何よりも言語によるコミュニケーションを重んじる民族であり、語らないことは何も言っていないことと同じ・とするということが分かった。何のために生きるのか?豊かな生活とは何か?など、ドイツ人を見ているとわが身を省みさせられることが多々あるな。

  • ドイツ人がどんな価値観を持っているかがイヤというほどわかる本。

  • 文章は読みやすかったですし、興味深かったです。ドイツに興味のある方は読むのがいいと思います。

  • 小塩節さんの本好き。ドイツに住みたくなる。

  • 実はこの本高校時代に買った本です(何年前かは秘密).この本を買って,ドイツの焼きたてのパンが食べたくなりました(^^;
    ルターさんの「世界があす滅びると言われても,今日私は庭に林檎の苗木を植える」って言う言葉はいまだにお気に入りの言葉の一つです

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1931年長崎県佐世保生まれ。東京大学文学部独文科卒。国際基督教大学、中央大学文学部教授(ドイツ文学)、フェリス女学院院長、理事長を経て、現在、東京杉並・ひこばえ学園理事長、中央大学名誉教授。その間に(大学在職のまま)駐ドイツ日本国大使館公使、ケルン日本文化会館館長、国際交流基金理事・同日本語国際センター所長等を兼務。ドイツ連邦共和国功労一等十字章、同文化功労大勲章叙勲、日本放送協会放送文化賞、ワイマル・ゲーテ賞等を受賞、ケルン大学名誉文学博士。著書に『旅人の夜の歌-ゲーテとワイマル』(岩波書店)、『ドイツのことばと文化事典』(講談社学術文庫)、『バルラハ―神と人を求めた芸術家』(日本基督教団出版局)、『トーマス・マンとドイツの時代』(中公新書)、『木々を渡る風』(新潮社1999年日本エッセイストクラブ賞受賞)、『「神」の発見―銀文字聖書ものがたり』(教文館)、『随想森鷗外』『ぶどうの木かげで』『樅と欅の木の下で』(青娥書房)、『ブレンナー峠を越えて』(音楽之友社)ほか多数。訳書にトーマス・マン『ヨセフとその兄弟』(望月市恵と共訳、全三巻筑摩書房)、ほか多数。

「2021年 『ゲーテからの贈り物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小塩節の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×