伊勢神宮 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 98
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061590687

作品紹介・あらすじ

お伊勢さんの名で親しまれる伊勢神宮は、つねに古くて新しい。朝な夕なの祭典は、千数百年来の民族信仰を純粋に守り伝えてきた。そして20年に一度の遷宮は、日本独自の手製文化を高度に磨き上げ、生命の再生を祈念してきた。まさに神宮こそ日本人の心のふるさとであり、そこには未来を拓く英知が潜んでいる。世界にも稀な聖地といわれる神宮の歴史と、伝統を重んずる日本人の志を論述した好著。

感想・レビュー・書評

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  • 鎮座の由来に始まって、遷宮の歴史やその内容に詳しい一冊だった。

    私が知りたかったのは斎宮の役割や仕組みだったのだけど、歴史の流れの一部として取り上げた感じでやや物足りない。

    後書きにあった斎宮と斎院の比較研究など、興味深い。

    20年のサイクルで行われる遷宮について、一言で「お金と力の無駄」と言ってしまうのは浅慮だし、反対に「お祭り」としてややもすると形だけを楽しむようになりがちな現代の信仰薄き社会への警鐘を含んでいる。

    常に清浄な場所として、新しく在り続ける場所。
    ただ古びてゆくのを守るというスタンスではなく、新たにしていく姿勢が素敵だと思う。

    知識も技術も、隠し守るだけでは拓けないもの。常に新たにし磨くことで、敬う心や想いが伝わってゆくのではないだろうか。

  • 伊勢神宮の成り立ちや、天照大神の信仰性格などについて書かれている本。後半では式年遷宮について記述されている。
    伊勢神道についてはそこまで深い記述は無い。
    伊勢神宮が日本人の心にどれほど深く根付いてきたのかについての洞察を得ることができた。

  • 伊勢神宮の建築様式から、神話との関連、遷宮、神宝、などなど、伊勢神宮についての初心者が知りたい知識はだいたい載ってる。
    神話と史実との関連などはふつうにおもろい。
    良本にあたった感。
    200Pちょいで軽く読めるしおすすめ。
    伊勢神宮ゆくならコレ読んでからゆくと楽しくなる。

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著者プロフィール

昭和16年12月、岐阜県生まれ。名古屋大学修士課程修了。昭和41年度から皇學館大学助手・専任講師・助教授。昭和50年度から文部省初等中等教育局教科書調査官。昭和56年度から京都産業大学教授。昭和61年9月、法学博士。平成24年度から京都産業大学名誉教授、モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授、皇學館大学特別招聘教授など。
【研究書】『宮廷儀式書成立史の再検討』(国書刊行会)、『三善清行』(吉川弘文館人物叢書)、『年号の歴史』(雄山閣)など。【一般書】『日本歴史再考』(講談社学術文庫)、『日本の年号』(雄山閣)、『歴代天皇の実像』(モラロジー研究所)、『「国民の祝日」の由来がわかる小事典』『皇位継承のあり方』(以上、PHP新書)、『皇室典範と女性宮家』(勉誠出版)、『天皇の人生儀礼』(小学館文庫)、『天皇の「まつりごと」』(NHK出版生活人新書)など。【共著】『皇位継承』『元号』(以上、文春新書)、『元号読本』(創元社)。【編著】『皇室事典(令和版)』(角川書店)、『日本年号史大事典』(雄山閣)、『近代大礼関係の基本史料集成』(国書刊行会)など。

「2020年 『光格天皇関係絵図集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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