- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061590755
作品紹介・あらすじ
古代ギリシアの思想と人物を網羅的・体系的に論じ、人類の未来を望見するための基本文献。
感想・レビュー・書評
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ハイデガーの「アナクシマンドロスの箴言」を読んでぴんとこなかったのはきっと、古代ギリシア哲学の基礎理解が不十分だからではないか。そう思い、長年本棚でほこりをかぶっていたこの本を取り出して読んでみました。
なるほど、ソクラテス以前の哲学者は、ピュシス、ロゴス、コスモスなどをテーマにしていたけれど、ソクラテス以後は人間が主要テーマに入り込んできたということがあらためて確認できました。
それにしても、参考文献の量をみるだけでも、この本が膨大な研究を背景に著されたものだということがよくわかります。プラトン全集の訳注や解説などでもよく思うのですが、ギリシア哲学の研究の積み上げの厚さはすさまじいですね。脱帽します。(2019年4月19日読了)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一般書のこの価格帯でこの内容は奇跡に近い。どの章も示唆に富む素晴らしいものだが、パルメニデス・プラトンの項は必読。読み過ぎて手垢で汚れてしまったほどの名著なり。
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もっと早くに読んでおけば古典ギリシア語への意欲もさらに湧いていたかもしれない……
類書と比べると、図表の多さが目を引く。そのおかげでわかりやすい。一方文章には癖がある。そして原語が分からないとしんどいだろうなあ。
とはいえ、よく練られた構成は読者を引き込む。アナクシマンドロスの再評価は特に価値がある。圧巻はパルメニデス。クセノファネス→ヘラクレイトス→パルメニデスと続く「謎」の流れに、哲学書とは思えないカタルシスを受けてしまうのですよ。
著者プロフィール
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