十字軍騎士団 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 157
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061591295

作品紹介・あらすじ

11世紀末、聖地エルサレムをイスラム勢力から奪回せんと第1回十字軍遠征が敢行された。その中核として結成された、戦士と修道士の役割を同時に遂行する聖俗一致の〈キリストの戦士〉修道騎士団! 秘密結社的な神秘性を持ち二百年後に悲劇的結末を迎えたテンプル騎士団、強大な海軍力で地中海上に現代まで存続した聖ヨハネ騎士団等、その謎に充ちた興亡を十字軍研究の権威が興味深く描いた好著。

感想・レビュー・書評

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  • 最近、「歴史書を読んでは不平不満を書き連ねる人」みたいになっちゃってるのを内心気にしていたので、今回もおそるおそる読み進めていたのだけど、この本はまあよかったよ。読み終えるのに20日もかけちゃったし、それはひとえにこの著者の日本語が拙くて読みづらいからなんだけど、それでもなお、この内容なら僕は及第点を付けたいと思う。ちゃんと著者自身が書きたい内容を持っていて、書きたいから書いた、ということが伝わってくる本だった。

    もともと、僕がこの本から学びたかったのは、いま流通している標準的(ヨーロッパ中心的)な十字軍史そのものだったんだけど、実をいうとその点ではちょっと当てが外れた。この本は表題にあくまでも忠実に、いくつかの十字軍「騎士団」、の足跡をたどってその歴史的位置づけを探っている。

    だから「幸運にも」聖地エルサレム占領に成功してしまった第一回十字軍については、ほとんど言及すらされていない。(笑)十字軍騎士団群の設立のきっかけになったとはいえ、時系列的には設立前の出来事だから。そして十字軍騎士団の代表格として、テンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団(ロードス島騎士団)の2つに主に注目して、その設立と存続ないし廃絶を巡る歴史の因果関係が淡々と解説されていく。

    実に地味な本です。しかし、これこそが歴史書に求められる本来の最低水準なんじゃないのかと僕は感じた。著者の日本語が今ひとつこなれないのとかは、まあ仕方ない。でも著者自身に明確な「書きたい内容」があるから、読者はちゃんと内容を汲み取ることができる。著者に明確な目的意識がなくて、依頼があったから書きました、みたいな原稿ではやっぱりダメだったんだ、と改めて感じたよ。

  • テンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団を軸とした十字軍の歴史。
    これらの騎士団の強大さと、ヨーロッパの歴史に与えた影響についてもよくわかる。
    騎士団の成立から終焉までの歴史も十字軍そのものにおとらずドラマチック。

  • 内容は悪くないはずだが、とにかく文章が単調でつまらない。学術文庫だとしても、もうちょっとなんとかしようがあったのでは?あまり人が扱ってないテーマだけに残念。

  • 新書文庫

  • 約200年続いた十字軍遠征を起点とした修道騎士団をその中心を為したテンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団との比較を軸に解説する資料的な本。一冊で語るには200年は長い。

  • 十字軍やその時代はなんとなく概要を知っているような知らないような。といった程度なのに、いきなりこういった本に手を出すのは少し無謀だったような気もしましたが、十字軍遠征をきっかけに生まれたテンプル騎士団の結成から解体までを、同時期に誕生した聖ヨハネ騎士団(現:ロードス騎士団)と比較しながらたどっていくというかなり範囲を絞った内容でそのぶん的がはっきりと見え、初心者の私でも混乱することなく読み進めることができました。なんとなく持った興味を大きく広げてくれる本に出会えてよかったです。

  • 十字軍をきっかけに誕生した軍事組織の概説史。巡礼者の安全確保に尽力した一騎士のボランティア精神から誕生したテンプル騎士団、病気やケガに悩む巡礼者を収容する病院経営から生まれた聖ヨハネ騎士団。それぞれが状況に応じて変化し、歴史から退場していくまでがわかりやすく描かれている。メインテーマのテンプル騎士団の栄光と没落は、因果応報というか塞翁が馬というか、不思議な巡り合わせを感じずにはいられない。。

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