- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061591387
作品紹介・あらすじ
ひたすらな瞑想により最高の自己実現をみる茶道。本書の冒頭で天心は「茶は、日常の事実における美しいものの崇拝、すなわち審美主義の宗教としての茶道に昂められた」という。明治三十九年、天心は西洋文明に対する警鐘をこめて、茶の文化への想い即ち東西の文明観を超えた日本茶道の真髄を切々と綴った。精魂をこめた訳文により天心の精神がいま静かに息づく。原典英文収録の名著復刻の決定版。
感想・レビュー・書評
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茶道とは、空間・モノ・コトを一体的に設計された美的思想の表現であることが分かる。より深く茶や千利休について学びたいと思った。この本をきっかけにこの世界に触れられて幸運であった。
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12/5/23 WBS スミスの本棚 玄侑宗久
岡倉天心は明治時代に日本の伝統美術を海外に広めることに奔走し、ボストン美術館の東洋部長も務めた国際派だった。「茶の本」は、1906年にニューヨークで「THE BOOK OF TEA」と題し英語で出版された本を翻訳したもの。茶道をテーマに東洋の文化の独自性と素晴らしさを描いた。
「東西を問わず重んぜられているのは茶道というアジアの儀式だけなのである。白人はわれわれの宗教と道徳を嘲笑してきたが、この褐色の飲料はためらいもなく受け入れたのである。」(「茶の本」より)
玄侑さんは、西欧化していく社会の中で初めて西洋と違う日本の文化を訴えた天心の本を、今こそ日本人は読んでほしいと話す。「東洋にも日本にも独自の在り方があり、それに従った独自の文明を築いてきたはずです。ところがそのことを西洋人に対し、明快に説明できる人がいなかった。岡倉天心は、それを初めて果たした人物」(玄侑さん)
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西洋に真っ向から挑む、東洋の文化
茶が日本文化に及ぼしている影響を多方面から紹介 -
『武士道』新渡戸稲造著、『代表的日本人』内村鑑三著にならび、日本人が英語で日本の文化・思想を西欧社会に紹介した代表的な著作の一つとのこと。『スミスの本棚』で見つける。原題:THE BOOK OF TEA。やや難解。理解するには再読が必要か。
<目次>
訳者まえがき
第一章 人情の器
第二章 茶の流派
第三章 同教と禅道
第四章 茶室
第五章 芸術鑑賞
第六章 花
第七章 茶の宗匠たち
原註・訳註
解説ー憂ひ顔の美の使途
解題
<あらためて老子・禅・茶道から読み取れること>
・日本人の審美眼の拠りどころになっていること。
「道教は審美的理想に基礎をあたえ、禅道は審美的理想を実際的なものとした。」
・抹茶のあと、煎茶が登場した。
「中国での煎茶の服用の仕方は、わが国では比較的最近のことで、十七世紀中葉以降はじめて知られたものである。日常飲む場合には、煎茶が抹茶に取って代わった。」
2012.12.28 読了 -
外国の方への茶道の紹介かな?と思って読んでみたのですが、この単純な題に反してすごく複雑でした。
前半はスマホで単語を調べながら読んだのですが、それでもでてこなかったりして、これは翻訳した人しだいなのかな。
「第三章 道教と禅道」は中国史を勉強してからのほうがいいと思いました。
後回しにしていた中国史、知りたくなりました。
後半はちょっとわかりやすくなりました。
とくに「第六章 花」はとても綺麗な文章。
さすが芸術学校の先生。
岡倉天心さんのことも、もっと知りたい。 -
岡倉天心こと、岡倉道三が1906年に執筆、日本人の心について「茶道」の文化から迫る。
本書は英語の原文と日本語訳の両方があるが、ひとまず日本語を読了。
内容は抽象的で、難しい言い回しが多く、一度読んだだけでその内容を把握することは困難である。
しかし、冒頭の文章で、その言わんとすることの概要はわかる気がする。少し長くなるが、引用したいと思う。
「茶道は、日常生活のむさ苦しい諸事実の中にある美を崇拝することを根底とする儀式である。それは純粋と調和を、人が互いに思いやりを抱くことの不思議さを、社会秩序のロマンティシズムを、諄々と心に刻みつける。それは本質的に不完全なものの崇拝であり、われわれが知っている人生というこの不可能なものの中に、何か可能なものをなし遂げ用とする繊細な企てである」
つまり、不完全なものに見る完成の姿を夢想し、余計なものを排除する侘びの精神を言っているのだと思う。
最後の章では千利休の最期で締められていることからも、天心が「どうにもならない絶望的な状況を受け入れ、そこに美しさを見出そうとする」精神に着目していたのかがよくわかる。
また、本書の素晴らしいのは本編(日本語)の後にある訳者による「解説」である。
訳者は、岡倉天心が書いた文章をもとに、本当に描かれているのは日本人の心であるのと同時に、天心本人の波乱万丈の人生から得た苦悩、悟りのようなものも込められているという仮説を展開する。
2度の不倫劇に端を発する失脚やその後の顛末(不倫相手の死)など、彼の破天荒ぶりや絶望、諦めなど様々な想いが錯綜していることが改めて浮き彫りになり、この本が示そうとしたメッセージに、より深みが増す解説である。
なお、原文は気が向いたら読んでみようと思う。(いつになるやら・・・) -
原題:The Book of Tea(1906)
著者:岡倉天心(1863-1913)
訳者:桶谷秀昭(1932-)
【目次】
訳者まへがき(平成六年六月二十六日 桶谷秀昭) [003-004]
目次 [006-009]
第一章 人情の碗 013
第二章 茶の流派 025
第三章 道教と禅道 036
第四章 茶室 050
第五章 芸術鑑賞 066
第六章 花 077
第七章 茶の宗匠たち 092
原註・訳註 [098-104]
解説――憂ひ顔の美の使徒(桶谷秀昭) [105-122]
解題 [123-134]
THE BOOK OF TEA……OKAKURA-KAKUZO [135-228] -
次は英文で、しかし博覧強記な人、しかも英語で、語るとは。スーパーマンですね。
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[ 内容 ]
ひたすらな瞑想により最高の自己実現をみる茶道。
本書の冒頭で天心は「茶は、日常の事実における美しいものの崇拝、すなわち審美主義の宗教としての茶道に昂められた」という。
明治三十九年、天心は西洋文明に対する警鐘をこめて、茶の文化への想い即ち東西の文明観を超えた日本茶道の真髄を切々と綴った。
精魂をこめた訳文により天心の精神がいま静かに息づく。
原典英文収録の名著復刻の決定版。
[ 目次 ]
第1章 人情の碗
第2章 茶の流派
第3章 道教と禅道
第4章 茶室
第5章 芸術鑑賞
第6章 花
第7章 茶の宗匠たち
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
著者プロフィール
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