昔話のコスモロジー―ひとと動物との婚姻譚 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061591462

作品紹介・あらすじ

日本を始め世界各地の昔話に数多く見られる人間と動物との婚姻譚。パートナーとなる動物はどこから来るのか。日本の夫は去ってゆく妻をなぜ追いかけようとしないのか-昔話の研究家として知られる著者が、「つる女房」や「天人女房」「ばら」など各国の異類婚姻譚を詳細に比較考察して昔話の本質を追究。他の民族とは異なる昔話をはぐくんできた私たち日本人特有の文化や民族性を解きあかした好著。

感想・レビュー・書評

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  • 世界各地の異類婚姻譚(人間と人間以外の婚姻話)について類型化し、その地方ごとの動物等に対する人間の姿勢を考察している本。

    『昔話』『民話』の定義から始まりますが、ここから西洋とアジア(というより日本)は違うんですね。
    紹介されている話を読み進めると、著者の述べる通りに異類への姿勢・受け止め方が違うのだなぁとよくわかりました。

    しかし、著者は話を紹介する際には淡々と述べ、分析しているが、これは難しいことだろうと思います。ある文化に対し、別の文化の価値観でそれを測ることにつながりやすい話題ですし。
    まあ、最後の方はやはり日本の側に立っておられますが。

    それにしても、最も衝撃を受けたのはあとがきにおいてでした。日本とドイツで『残酷』の定義と、それへ至る思考が本当に違うんですね。それが文化というものでしょうが。

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