- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061591523
作品紹介・あらすじ
一般に民間で行われている宗教現象は民間信仰とよばれており、日本人の生活に深く浸透している。民間信仰は日本人が諸宗教を摂取する枠組となっており、著者はこれを民俗宗教と捉える。本書は、従来、個々に解明されてきた民間信仰を、宗教学の視点から体系的に理解するため、その鍵となる原風景、歴史、儀礼、物語等を解説し、民俗宗教の中核をなす死と祖霊化の問題を考察した待望の入門書である。
感想・レビュー・書評
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民俗学の概説書ってかんじ。
ちょっとわかりにくい概念も、図解を使って説明されています。
民俗学勉強したい人は必見だね!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
通俗書とは言っても研究者が書くものとしてあまりにあんまりな。
日本の銭湯のタイル絵はほとんどが富士山だとか、山手線が住宅街と執務空間の境界だとか。
富士山が描かれた銭湯は関東のものだし、山手線敷設時は住宅地は内側だったろう -
「これらに対して、私はR.N.ベラなどのいう日本宗教のように、日本人が神道・仏教・キリスト教・新宗教などを生活上の必要に応じて摂取する際の論理ともいえる受け止め手の宗教を、民族宗教ととらえる視点を提起したい」26-27ページ
この本の視点によれば、見える実態として存在しているのが宗教、そうではないものが民族宗教というところか。そういった不定形のものは名前を与えることで確かに輪郭を持ち始めるし、何かを考えていくうえでは必要なことなのだろう。イメージとしては集合意識というところか。
そのまま日本人論につながりかねない怪しさはあるものの、別に日本人総体ではなくコミュニティとかグループ単位でも、あるいは個人でも適応できるといえばできる。そこまで宗教という言葉を拡張させる必要はあるのか?という疑問は当然出てくるわけだけど、現状の「宗教」を良い意味でも悪い意味でも相対化させるためには必要なステップなのかなとも思う。
そしてまあ、よくわからない、実態が謎なものを追いかけるのが楽しいのはゴーストバスターみたいなノリで楽しいのもまた事実で、こういう視点を立脚点に置きながら、目に見えないものと戯れる、創りだす、向き合うということも今後の人生でやっていきたい次第。
著者プロフィール
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