250頁という限られた紙数でキリスト教の歴史をまとめ上げたが、
成功しているとは言い難い。あまりにも大雑把である。
これは著者自身の力量不足というより、そもそも2000年以上の歴史を持つ
キリスト教を文庫本一冊で説明することは不可能であるからだ。
また、キリスト教も他の分野(哲学や科学)の影響を受けているため
それを説明する際に、突然『グノーシス主義』『経験』という言葉が出てくるため、
多少なりとも哲学などをかじっていないと理解は難しい。
そういう意味で『キリスト教に興味がわき学ぼうと思った人のための本』ではない。