日本憲法思想史 (講談社学術文庫 1256)

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061592568

作品紹介・あらすじ

本書は、法思想における国体論をはじめ種積八束・上杉慎吉・美濃部達吉など代表的な憲法学者の法理論を追究し、さらに敗戦史の法哲学から国民主権と天皇制、マッカーサーと戦後民主主義、日本国憲法の正統性問題までを論じた。旧憲法学史研究には、ケルゼン的なイデオロギー批判的手法をとり入れ、新憲法については、戦後民主主義の忠実な擁護のつもりという著者が説く、日本国憲法の思想と歴史。

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  • 著者:長尾龍一(1938-)

    【版元】
    発売日:1996年11月08日
    価格 本体777円(税別)
    ISBN 978-4-06-159256-8
    判型 A6
    ページ数 286ページ

    本書は、法思想における国体論をはじめ穂積八束・上杉慎吉・美濃部達吉など代表的な憲法学者の法理論を追究し、さらに敗戦史の法哲学から国民主権と天皇制、マッカーサーと戦後民主主義、日本国憲法の正統性問題までを論じた。旧憲法学史研究には、ケルゼン的なイデオロギー批判的手法をとり入れ、新憲法については、戦後民主主義の忠実な擁護のつもりという著者が説く、日本国憲法の思想と歴史。
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784061592568



    【簡易目次】
    I 明治憲法の思想 009
    一 「国体」と「憲政」 010
    二 穂積八束 036
    三 上杉慎吉伝 060
    四 美濃部達吉の法哲学 142

    II 日本国憲法の思想 195
    一 敗戦後の法哲学 196
    二 国民主権と天皇制 210
    三 二つの憲法と宮沢憲法学 226
    四 マッカーサーと戦後民主主義 233
    五 日本国憲法の正統性問題 260




    【目次】
    目次 [003-006]

    I 明治憲法の思想 009
    一 「国体」と「憲政」[1996年] 010
    近代日本史の中の憲法問題 010
    攘夷としての「国体」/「公論」(公開討論)としての「政体」/明治新政府における「国体」/「憲政」の発展/憲法学における「国体」と「政体」/帝国憲法体制の崩壊/占領と日本国憲法/戦後五十年

    二 穂積八束[1975年] 036
    1  
    2  
    3  
    4  
    5  
    6  
    7  
    8  
    参考文献 058

    三 上杉慎吉伝[1972年] 060
    1 生い立ち 060
    2 初期の「機関説」 065
    3 留学中の「回心〔えしん〕」 067
    4 大戦前の時代認識 071
    5 国体論争 075
    6 藩閥・政党・天皇 083
    7 普通選挙 093
    8 国家主義運動 100
    9 対象十五年秋 109
    10 国家形而上学 117
    11 最晩年の上杉 122
    注 128

    四 美濃部達吉の法哲学[1969年] 142
    1 社会心理主義 143
    2 概念法学批判 149
    3 国家法人説 155
    4 反主意主義 158
    5 国家自己拘束説 160
    6 非制定法源 163
    7 発展的歴史観 166
    8 オプティミズムの世界観 168
    注 175


    II 日本国憲法の思想 195
    一 敗戦後の法哲学[1971年] 196
    1  
    2  
    3  
    4  
    5  
    6  
    7  
    二 国民主権と天皇制[1978年] 210
    1 ポツダム宣言と「国体」 210
    2 美濃部達吉の「国体」護持論 211
    3 宮沢俊義の「八月革命説」 214
    4 尾高朝雄の「ノモス主権論」 219
    5 和辻哲郎の文化論的天皇論 222
    6 何が残ったか? 223
    三 二つの憲法と宮沢憲法学[1969年] 226

    四 マッカーサーと戦後民主主義[1974年] 233
    1 一九四五年の世界 233
    2 マッカーサーの「正義」 235
    3 マッカーサー崇拝 239
    4 終末論的平和論 243
    5 マッカーサー父子とリンカン 248
    注 258

    五 日本国憲法の正統性問題[1996年] 260
    日本国憲法無効論占領下の憲法制定と「瑕疵の治癒」?/「八月革命説」/「初期対日方針」とポツダム宣言/主権喪失国家における国民主権/「八月革命説」の国際法優位説/東京裁判とパル少数意見/「国体」:日本憲法の正統性?/日本国憲法の正統性

    あとがき(一九九六年十月十一日(ハンス・ケルゼンの誕生日に) 長尾龍一) [277-280]
    初出一覧 [281]
    人名索引 [282-286]

  • 顕業と密教、本音と建前、それぞれが様々な場所で入れ違いになり、どちらがどちらだったのか分からなくなるまで時代がつき進んだということを感じた。

  • 明治憲法、日本国憲法をめぐる代表的な学者、学説、様々な議論をまとめたもの。特に学者の伝記での資料的価値は門外漢にとって貴重。

  • 明治憲法および日本国憲法をめぐる様々な思想を研究した本。穂積八束、上杉慎吉、美濃部達吉、そして宮沢俊義といった著名な憲法学者の法哲学・法思想を鮮明に説いている。天皇機関説事件などで、上杉=悪玉・美濃部=善玉と教えられることが多いが、そうした歴史観を相対化する上で非常に役立つ。

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