現代倫理学入門 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061592674

作品紹介・あらすじ

本書の狙いは、昔の話をすることではない。現代世界の倫理構造を明らかにして、21世紀の文化の骨格を示すこと、21世紀で有効となるような倫理学の輪郭を描き出すことである。

感想・レビュー・書評

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  • マイケル・サンデル『ハーバード白熱教室』以前の倫理哲学の入門書。
    カント・・・義務論「汝の信条が普遍的法則となることを、その信条を通して汝が同時に意欲できる、という信条に従ってのみ行為せよ」
    ベンサム/ミル・・・功利主義「個人の効用を総て足し合わせたものを最大化することを重視するものであり、総和主義。「最大多数の最大幸福」」
    ____________________

    1 人を助けるために嘘をつくことは許されるか
    2 10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか
    3 10人のエイズ患者に対して特効薬が1人分しかない時、誰に渡すか
    4 エゴイズムに基づく行為はすべて道徳に反するか
    5 どうすれば幸福の計算ができるか
    6 判断能力の判断は誰がするか
    7 〈……である〉から〈……べきである〉を導き出すことはできないか
    8 正義の原理は純粋な形式で決まるのか、共同の利益で決まるのか
    9 思いやりだけで道徳の原則ができるか
    10 正直者が損をすることはどうしたら防げるか
    11 他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいか
    12 貧しい人を助けるのは豊かな人の義務であるか
    13 現在の人間には未来の人間に対する義務があるか
    14 正義は時代によって変わるか
    15 科学の発達に限界を定めることができるか

  • 倫理学については不勉強だったので入門書として読んだ。難しい問題を手際よくわかりやすくまとめていると思う。読むきっかけになったのは昨今の人工知能ブーム。その課題、そして可能性を倫理学的な切り口で考えてみたいと思ったから。倫理学でもまだ明確に答えを出せていない問題に対して人工知能がさきに答えを出す時が近づいている。それは無意識かもしれないという怖さを感じる。倫理学はもっと介入すべきだと思う。

  • 倫理学の中の“規範倫理学”と言われる分野について平易に書かれています。倫理学の代表的な立場である功利主義やカントの義務論、ロールズの正義論について説明されており、この著作の内容をある程度理解するだけでも規範倫理学の基礎的な知識を身につけることができると思います。

  • サンデル氏の討論型授業のような形式で倫理的な問題を考えることは楽しい。


    しかし、心理学もそうだが学問になると非常に取っつきにくくなる。


    この本もその例で、サンデルの著作から関心を持った人の興味レベルだと弾き飛ばされる危険性が高い。実際私も、100ページを超えるくらいになってパンク状態であった。



    この本の正しい読み方は、目次を読んで本当に微妙な問題だなと思った章を選んで読むことである。



    最初から全部を読み通そうなんて思っちゃあいけない。また、自分の中で既に結論がでてしまうお題は見なくてもよろしい。


    そのくらい自分の意識を絞って読まなければ、歴史の教科書レベルの退屈さに溺れること請け合いである。

  • サンデル、ロールズあたりがちんぷんかんぷんな方には此ぐらいから始めるほうがよいのではないかと思います。全体の見取り図がわし掴みにできます。
    元々放送大学の教材だったかと思いますので、教科書的紹介風になりますが、壺は押さえていると思います。
    ただし、げしげしと原典(邦訳含め)を読んでいる人間には、少し物足りないでしょうか。
    いずれにしても教科書としては良くできておりますし、対話型授業の教材としての活用も容易かと思います。

  • カント倫理学に対してはかなり否定的ですが、功利主義に対しては終始肯定的に書かれています。逆に功利主義には問題点はないのかしら?という疑問が沸いてきます。もしくは本人は批判するつもりで書いている箇所もあるけど、私には批判に見えないということもあるかもしれません。

  • 倫理学の入門書。
    「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」
    「どうすれば幸福の計算が出来るか」などのテーマに基づいて、複数の倫理学者の考え方を紹介する1冊。
    倫理とは考え方で、人生生きる上で「何々はしちゃだめ」
    「何何はするほどがいい」といわれることのなぜ?根底の考え方の部分を解説した1冊で面白い。色んな考え方や人出てくるので多少混乱する部分はあるが、非常に面白く読める1冊。

  • 児玉先生の功利主義入門のほうに本書から入っちゃったひとはこっちよむんだよって書いてあったから読んでる 読んでると眠

  • 入門というには難しい。

    言葉が難しい。
    古典の思想家がなんの説明もなく出てくるので、その思想家の考えをあらかじめわかっていないとわからない。
    各段落で言わんとすることがわからない。
    かつ接続詞も無いので段落間の論理のつながりがわからない。

    読んでいて面白くないのだけど、読み続けるべきなんだろうか。難しいものも読まないといけないと思うけど、この分野で苦しんでまで読む必要はないんじゃないか?
    同じ倫理学の入門書で、もっと楽に理解できるものはあるだろ。

  • 298円購入2018-07-05

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著者プロフィール

加藤尚武(かとう・ひさたけ)
1937年、東京生まれ。
1960年、東京大学教養学部学生として安保闘争に参加。
1963年、東京大学文学部哲学科を卒業。東京大学文学部助手、山形大学教養部講師・助教授、東北大学文学部助教授、千葉大学文学部教授、京都大学文学部教授、鳥取環境大学学長、東京大学医学系研究科特任教授を歴任。元日本哲学会委員長。日本学術会議連携会員、京都大学名誉教授。
《専門》
ヘーゲル哲学、環境倫理学、生命倫理学。現在は、徳倫理学、貢献心、利他主義の研究開発に従事している。
《受賞》
哲学奨励山崎賞(1979年)、和辻哲郎文化賞(1994年)、紫綬褒章(2000年)、建築協会文化賞(2002年)
《主な著書》
『加藤尚武著作集』(全15巻)未來社ほか多数

「2020年 『加藤尚武著作集 第15巻 応用倫理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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